好き、嫌い、好き Ⅱ (ページ28)

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菅「ああそれ、たぶん彩登美さんですよ」

“サトミさん。”

菅「勇人さんが長く付き合ったのって、その人くらいですから」

菅「橋本彩登美さんって言うんですけど、」

『ちょっと待ってくださいっ、』

話をしようとしてくれた菅野さんの言葉を遮る。

やっぱり、私が聞いて良いようなことじゃないと思う。

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菅「‥分かりました。じゃあここからは俺の独り言です。桜庭さんはたまたま聞いてしまった、そういうことで」

橋本彩登美さん。

菅「勇人さんと同い年で、巨人の球団職員でした。何がきっかけで別れたとかは知らないですけど、」

結局、

別れた後に付き合ってたことが張れて

彩登美さんは別の球団に飛ばされました。

菅「本当はクビにされる予定だったんですけど、勇人さんが頭下げてそれだけは回避してもらったらしいですよ」

それほど、大切だった人。

愛していた人。

菅「知ってることはこれくらいですかね。」

一息ついた菅野さんは、お疲れさまでした、と

部屋を出た。

今さらため息をしても遅いけど、そうでもしないとやってられなかった。

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