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今日は定時で上がらせてもらい、電車へと乗る。
“今遠征で横浜やから、日曜行けないけど”
“友達には話してるから大丈夫”
そっか。
いつも東京に居るわけじゃないもんね。
ありがとう、と返信をして携帯を鞄に閉まった。
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がちゃっ
鍵を開ける。
思い出すのは、あの赤いピンヒール
扉を開けた先に、その靴はなかった。
ホッとしたけれど、心臓はまだバクバク言っている。
先に足を進める。
自分が住んでいた家なのに、居心地は悪い。
電気をつけて、ソファーに鞄を置く。
(早いとこ終わらせよう)
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段ボールに衣服をおさめていく。
彼が好きだったワンピースも
彼の趣味で買ったブラウスも
彼が買ってくれたネックレスも
彼のお気に入りだったヒールも
もったいないけど捨ててしまおう。
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要るものだけを段ボールにつめた。
壁にかけてある時計に視線を向けると、8時を示していた。
(思ったより時間かかったな)
周りを見回す。
このソファーで並んで映画見たなぁ
このキッチンカウンターから、彼はご飯作るのよく眺めてたなぁ
二人で一緒にこの部屋のもの選んだから、ひとつひとつに思い出が残ってて
左利きの君の手が、忘れられなくて
ズルズル引きずるのなんて嫌だけど
『‥‥困っちゃうなあ、』
聞き分けいいのは私らしくないんだもん。
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明日までの鍵を鞄に納めて
鞄をもって立ち上がる。
(あ、)
気付いて、洗面台に向かう。
忘れるところだった。
青とピンク
典型的にふたつ並んだ歯ブラシ
コップから、ピンクの歯ブラシを取る。
『さよなら』
ゴミ箱に入れて
最後
鏡に写った自分の顔は、
スッキリしていて安心した。
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理彩(プロフ) - ゆゆ。さん» ありがとうございます。どハマりしちゃってください！笑頑張ります！ (2018年8月2日 20時) (
レス) id: 7805605240 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ。(プロフ) - この作品大好きです！もうどハマりしちゃってます♪更新頑張ってください！ (2018年8月2日 13時) (レス) id: 3e6ff657de (このIDを非表示/違反報告)
千南 - 理彩さん» これからも応援してます! (2018年7月21日 23時) (レス) id: 44f061dcc9 (このIDを非表示/違反報告)
理彩(プロフ) - Satomigさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。長編になると思います笑 (2018年7月21日 9時) (レス) id: 7805605240 (このIDを非表示/違反報告)
Satomig - こんばんは！ 更新されるのが楽しみで仕方ないです！笑 話が現実味があって読んでいてとっても楽しいです！ 長編希望です！ (2018年7月21日 0時) (レス) id: c98854b979 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：理彩 | 作成日時：2018年7月16日 18時
