幸せになれるなら ページ38
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ショート後方
広輔さんが、両手を広げた。
ベンチでは、誰が一番最初に走り出してやろうか、と。
ギリギリまで粘って、粘って。
そのボールが広輔さんのグローブに収まった瞬間、全員が飛び出した。
甲子園
野球の聖地
そのマウンドで、ナインたちがひとつの輪をつくってナンバーワンの拳を掲げた。
始まった胴上げ
Aは、輪の一番外側におった。
それはまるで、
この光景を、忘れんように
心のなかでシャッターを何度も何度も、切っているみたいだった。
「A、」
声をかけてグータッチを求めたら、彼女も笑顔で返した。
『連覇したね』
「そうやな」
ふう、と何か気持ちを切り替えたAは、ベンチへと戻った。
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俺、A、誠也、野間さんの並びで監督インタビューに耳を傾ける。
緒「甲子園球場は、自分のプロ野球選手としての第一歩目のグラウンドでした。」
その言葉を聞きながら、ポツリと彼女が呟いた。
『プロ初ヒット、甲子園だったなぁ‥‥』
誠「へえー、俺はマツダだったなぁ。あのタイムリーだけは、ずっと忘れてない」
野「俺もマツダやった。一番で出て、最初の打席で二塁打打てたの忘れんわ。おまえもマツダやろ？」
『初打席のスリーベース、』
確かに、あの打席の感触はまだこの手に残っとる。
あの打席、というよりあの日の記憶は今でも鮮明や。
ちらっとAを見ると、目が合った。
何かを悟ったのか、彼女は直ぐそらした。
緒「ー‥‥頼もしい奴らだ本当に！」
その声に、言おうとしていた言葉は遮られた。
ベンチに向けられたその言葉に、選手たちは顔を見合わせてはにかんだ。
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理彩(プロフ) - 花蓮@carploveさん» ありがとうございます。伝わってよかったです(*^^*) (2018年7月14日 21時) (
レス) id: 7805605240 (このIDを非表示/違反報告)
花蓮@carplove(プロフ) - 連載お疲れ様でした！夢主ちゃんのやりきれない焦燥感や焦りの描写がすごくて…ついつい感情移入して泣きそうになることも度々ありました…新作も楽しみにしてます！ (2018年7月14日 20時) (レス) id: 9ae88586f0 (このIDを非表示/違反報告)
ファンタオレンジ(プロフ) - 途中で、ピースサインの歌詞入ってて、びっくりしました！！笑笑 (2018年6月29日 17時) (レス) id: 50dccbc662 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：理彩 | 作成日時：2018年6月24日 17時
