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. side 33





真っ青な空の下で、見た後ろ姿はAの背中だった。

バッティングケージで、球を打ち返すA




彼女を一言で言うなら、器用




でも、他の人から見たら不器用なのかもしれない。









(もう何日も、実戦でそのフォーム見てないや。)



自分が傷つかないように
周りに悟られないように



それって簡単なようにみえて、凄く難しいこと。








ケージから出てきたAに水を渡す。


菊「休憩したら?」

『そうします』

水を流し込んだAは、俺の横に座った。







.






『キクさんって、33番、って感じしますよね』





Aの言動は、予測できない。
今だって、唐突にそんなこと言う。





他人の目は気にしないし、気まぐれだし

(俺も人のこと振り回すけど、)俺以上に人のこと振り回すし

それに付き合うのにあきれたり、疲れたりするけど。






それでもみんな、彼女に惹かれてしまう。







菊「ほんと、訳わかんね‥笑」






『私、緒方監督みたいな選手になりたかったんです』



(いや、聞いてないけど笑笑)

なんて思うけど、彼女の言葉は、声は、耳に入ってきちゃうんだよな。






菊「なんで?」




『“試合が終われば、ユニフォームが真っ黒な選手でありたいと思っていた”』


『あの言葉を聞いたとき、私もそんな選手になりたいと思った』






その横顔は、見たことないくらい真剣だった。






『“気がつけばそのユニフォームが汚れなくなり、走ることも守ることも思うようなプレーが
できなくなり、引退を決意しました”』

『まだ、ユニフォームが真っ黒になるほど試合に出てもないのに何言ってんだ、って感じですよね』




菊「若僧が何言ってんだよー」


冗談っぽく言うことしかできなかった。



菊「Aも監督みたいに、強くてかっこいい選手になれよ」









笑顔で頷いたAが、嘘でありませんように。







.

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理彩(プロフ) - 花蓮@carploveさん» ありがとうございます。伝わってよかったです(*^^*) (2018年7月14日 21時) (レス) id: 7805605240 (このIDを非表示/違反報告)
花蓮@carplove(プロフ) - 連載お疲れ様でした!夢主ちゃんのやりきれない焦燥感や焦りの描写がすごくて…ついつい感情移入して泣きそうになることも度々ありました…新作も楽しみにしてます! (2018年7月14日 20時) (レス) id: 9ae88586f0 (このIDを非表示/違反報告)
ファンタオレンジ(プロフ) - 途中で、ピースサインの歌詞入ってて、びっくりしました!!笑笑 (2018年6月29日 17時) (レス) id: 50dccbc662 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:理彩 | 作成日時:2018年6月24日 17時

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