少し恋して、長く愛して

星は俺のもの ページ4

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サラサラと揺れる髪に目を奪われる。




(あの頃より髪伸びたなぁ、)
(ミディアムより俺はロング派や)




男はやっぱり、揺れるもんに弱いんやろか。
ついつい、見てしまうわ。
ボーッとその背中を見ていた。






バチっと効果音がつきそう

ピアスをつけようとするAと鏡越しにバッチリ目が合った。









『何見てるのー？』

「別に」









どうしてさっきあんな風に笑った？

そんなこと、聞けへん。






(あんな顔、二度とさせへんって思ったのに)






「いつも着けてんな、そのピアス」

『可愛いでしょ』

シルバーの星のピアス
真ん中にある小っさいキラキラは、ダイヤモンドらしい。
試合以外は、いっつも着けてる。






「ピアスは可愛い、着けてる奴はブスやけどな」

『はいはい。ピアスも着けてる人も可愛いの間違いでしょ、龍馬くん』

「キツい冗談やな」







あの日のことがきっかけで仲良くなったのなら、俺はちゃんと約束を守れなかった。




俺は、Aに初ヒットのボールを渡せへんかった。









“素直じゃないね、龍馬は”


チラッと俺を見たAは、自分のロッカーの前へと戻った









「素直じゃないのはお互い様やろ‥」









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