truth ページ27
.
『龍馬、』
自分でもビックリするくらい、か細い声だった。
もしかしたら、彼には聞こえていなかったかもしれない。
「大丈夫か？」
『‥うん、平気』
“大丈夫？”って聞かれたら、大丈夫って言えるようになったんだ。
「最近毎晩残ってるやん。朝もはやいし」
『フォーム固まらなくて』
作ったものを壊すのは簡単。
1を2にする事と一緒
基盤となる0から1にするのが難しいんだ。
「ウソ」
彼は私を見透かしたように直ぐさまそう言った。
『、嘘つきになれたら良かったのにね。龍馬には、難しいや』
(だって、何でも見破っちゃうんだもん。)
バットを置いて、バッティンググローブを外す。
忘れてしまいそうな、感覚
『馬鹿だね、って皆呆れて言うけどね。ギリギリでも、負けたくないの。』
“ワクワクしたい”
“嫌になるまで野球がしたい”
そんな夢は今まで叶わなかった。
でも、何もなかった自分に少しでも与えられたチャンスを自分で逃すことなんてしたくない。
「‥‥何で、そんな優しい瞳できるん？」
龍馬が放った言葉は、思いもよらないものだった。
困っていると更に言葉を続けた。
「そんなん、嫌なことばっかやん。憂鬱でたまらんやろ、？」
尋ねるような優しい口調でも
責めるような強い口調でもない。
ただ、自分を説得させるような、私に投げ掛けるような。
『ただね、あの感動の瞬間にもう一度立ち会えたらな、って。』
欲を言えば、その輪の中にまた一緒に入ったりして。
みんなでただ喜んで
次の目標に正面からぶつかっていって
野球がしたい。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 100人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「プロ野球」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
理彩(プロフ) - 花蓮@carploveさん» ありがとうございます。伝わってよかったです(*^^*) (2018年7月14日 21時) (
レス) id: 7805605240 (このIDを非表示/違反報告)
花蓮@carplove(プロフ) - 連載お疲れ様でした！夢主ちゃんのやりきれない焦燥感や焦りの描写がすごくて…ついつい感情移入して泣きそうになることも度々ありました…新作も楽しみにしてます！ (2018年7月14日 20時) (レス) id: 9ae88586f0 (このIDを非表示/違反報告)
ファンタオレンジ(プロフ) - 途中で、ピースサインの歌詞入ってて、びっくりしました！！笑笑 (2018年6月29日 17時) (レス) id: 50dccbc662 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：理彩 | 作成日時：2018年6月24日 17時
