少し恋して、長く愛して

二日酔い ページ17

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菊「うーわ、ブス」

私を見るなりそう言ったキクさんに、女性を大切にするという概念が無いのだと勝手に思う。


『余計なお世話です、』

分かってる。
明日は試合だ、って昨日わかってたのに勢いで飲んじゃって
おまけに先輩の勇人さんには凄く失礼なことを言っちゃって



顔はパンパン、目は腫れぼったい、頭痛もおさまらない最低な一日です。








『はぁ‥‥、』

ため息をつくと、後ろから頭を小突かれた。

「おはよ」

『ぁ、龍馬、おはよ』

「ひでー顔、」

申し訳なさで肩をすくめて、龍馬に向き直って“ごめんっ、”と手を合わせた。






『昨日は、いろいろご迷惑をおかけしました。場の空気悪くしたし、おまけに部屋まで送ってもらっちゃって、』

「あぁ、俺は別にええけどちゃんと坂本さんに連絡いれとけよ？奢ってくれたんやし」

“あー、うん”なんて、思ってもないのに適当に返事して、



だって、何て言ったら良いか分かんないんだもん、って心の中で自分を正当化




「はあー。言ってたよ、坂本さん。Aの素直すぎるところも嫌いじゃないよ、って」


『‥‥、』





「今日今から、ちゃんとお礼良いや。」

『うん‥‥、』





やっぱり、私の尊敬する人だ。

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