Cosmonaut (ページ9)

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にやにやと、向けられて気分の良くない笑みを向けられる。

たしかに飯島とは話していた。
だが担任と話す＝何かやらかしたと言う決めつけに、Aは少々ムッとなる。

Aは翔の横に腰を下ろしながら、頭をスパンっとはたく。
それにしてもいい音だ。
さぞ中身が詰まっていないのだろうと心の中で悪態をつく。

「なーんで俺がやらかした前提なのよ。
言っとくけど、今回は何もしてないから。」

ニヤニヤしていた翔の表情は唇を尖らせ、あからさまにつまらないというような顔をする。

「じゃあなんであ呼び出されてたんだよ？」

Aは正直に転校生のことを話そうとしたが、いくら生徒会長とはいえ、勝手に話すのは良くないと気付く。

Aは「あ〜…」と答えに困り、何かいい言い訳がないか天井を仰ぐ。

そして昨夜自分が新学期のスピーチをインターネットからまるまる引っ張ってきたことを思い出す。

「それがさ、昨日の夜スピーチの原稿書いてないの気づいて、ネットから引っ張ってきたのよ。

そしたらさっきさとちゃんにバレてお説教。」

すると翔もAと同じように天井を見上げ、「お前ってさ…」としみじみ言う。

「……控えめに言って馬鹿だよね。」

「殺すぞ。」

Aは急な幼馴染のシンプルな悪口に、思わず物騒なことを口走る。

だが翔は微塵も気にしていないのか、隣でカラカラと笑っていた。