Cosmonaut (ページ6)

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Aの頭をぐしゃぐしゃと片手で撫で付けるこの男は、一昨年入ってきたばかりの担任・飯島悟先生。

科目は体育で、見た目も見るからに体育会系の人だ。
体格もがっちりとしていて、おまけに顔も2枚目だと親が騒いでいたのを覚えている。

実際この数年、学校生活を共にしているが、中身はガサツでめんどくさがり屋のちょっと残念な人なのだ。

人の頭を撫でるのはいいが、いかんせん力が強い。
普通に撫でてくれるのであれば問題はないが、まるで犬を撫でるような手つきで髪がぐしゃぐしゃになる。

さすがに女子生徒にはしないが、男子生徒はよく被害にあっているようだ。

あまりにも力が強いので、Aが飯島の腕を払い除ける。

「ちょっとさとちゃんっ。
毎回言うけど力強過ぎて禿げるわ、どうしてくれんのよ。
それにぼーっとしてないし。
天井のシミを数えるのも生徒会長の仕事だよ」

当然と言うようなAの態度に、飯島は呆れたようにため息をつく。

「馬鹿なこと言ってんなよ。」と言いながら、湊が座っているパイプ椅子の横にしゃがみ込み話を続ける。