Cosmonaut (ページ11)

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story2 ページ11

「ーーそれじゃあ、帰りのHRは終わりだ。
明日から通常授業だ。

長期休み明けだからって、遅刻してくんなよ。」

飯島の話しに、皆「はーい」と気のない返事をして、日直が号令をかける。

「きりーつ。れい。ありがとうございました。」

「「ありがとうございました。」」

そこからは、みんな各々で動き始める。

これから友達と遊びに行くのか、何人かでキャッキャと集まっている者。
部活に行くと言って、心底嫌そうにしながらスポーツバッグを肩にかける者。
家に帰ったのか、気づいたらいなくなっている者。

そんな風景をAは自分の机に頬杖をつきながら眺める。

席は窓側の一番後ろと漫画の主人公のような席をゲットしたため、教室全体が一望できる。

いつもであれば一緒に遊びに行きたいと走っていったり、部活組に絡みわざと集合時間に遅らせると言う凶悪犯罪を犯すAである。

だが、今日はただぼーっと教室を見ているだけのAを不審に思い、翔が声をかけてくる。

「Aどうしたんだよ。
いつもだったらだる絡みしてくるのに。」

だる絡みとはひどい。
いつも至って真面目でみんなに接していたつもりである。

Aは立っている翔を、頬杖ついたまま見上げる。