【文スト】太宰治の義理の姉【青の時代】 (ページ15)

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太宰、中也、十五歳１２ページ15

蘆花side

広津｢その……太宰さん。徳富さん。あまり先に行き過ぎませんよう。私が護衛しているとはいえ、この辺りは抗争地域。
何が起こるか判りませぬ｣

談笑していた私達に言いにくそうに広津さんが云う。

治｢抗争？｣

｢確か…今、マフィアと対立している組織は3つあって。《髙瀨會(たかせかい)》《ゲルハルト・セキュリテヰ・サアビス》…あと、正式な組織名は無いらしい特殊な型(タイプ)の敵組織。《羊》｣

森さんのデスクにおいてあった書類の内容を思い出しながら紡いだ言葉に広津さんが頷いて云う

広津｢徳冨さんがおっしゃった通り、現在マフィアと敵対中の組織は3つあります。
そして3つ目の組織が、現在もこの付近で抗争を続けています。極めて風変わりな、かつてない型の敵でして……正式な組織名はなく、あるのは《羊》という素朴な通り名だけです。
今週だけでマフィアの班が2つ落とされています。特にリーダー格の男が非常に厄介で、噂では銃弾が効かないとか｣

治｢ふうん…道理でさっきから、向こうのほうで爆発やら銃撃戦の音が賑やかな訳だ。ま、どうでもいいけどね……｣

治が面白くなさそうに云う

ちょうどその時、治の懐から電子音が鳴った。

携帯電話だ。

治｢森さんだ｣

治がそう云って携帯電話を耳に当てた。

もしやと思い私も携帯電話を開いてみると森さんからの不在着信が何回かあった。

医務室で音を切ってそのまま忘れていたみたいだ

音をもとに戻して携帯電話を仕舞う

治｢目撃者が何人もいたよ。余程この世に未練でもあったのかな？｣

顔をあげると、そう云って治が酷薄な笑みを浮かべた。

治｢兎に角、帰って詳しく報告を____｣

次の瞬間。

くっついていた治の腕が離れたと思った刹那、全くの前触れなく、何か(、、)が治の胴に直撃した。

腕が離れたため治だけが水平に吹き飛んだ。