8話 ページ8
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その日、久しぶりの合コンだった。
というのも、あれからしばらく男の人と飲みに行く気力なんて全く持って湧いてこず、もうこれはある種トラウマだなと根本変わってない私の性格に苦笑を漏らした。
それでいて今日も直帰するつもりだったのだけど、大先生とシャオさんに人数足りてへんねん、と懇願されたので仕方なく出席することにした次第。自己嫌悪で帰りたい。
目の前のお酒をちびちび飲みながら隣の席で執拗に絡んでくる知らない男の人の相手をしつつ焼き鳥を食べた。
「Aちゃんて本当に彼氏いないの？今日は人数合わせ？」
「彼氏はいませんけど人数合わせです」
「へぇ〜、そんな可愛いのに勿体ないなぁ」
するりと髪を撫でられゾワっと全身が粟立つ。あぁ今日はハズレだな、と人数合わせで来たのにそんなことを思った。
先輩2名に目を向ければ、楽しげに女の子と会話に勤しんでいたので帰りますとも言えず。早く終わらないかな。
「……ね、今日この後は？予定ある？」
「え？いやぁ…明日も仕事なので、」
髪を撫でていた手が移動し、膝に乗せられた私の手に重なる。
はぁ、最悪。蹴飛ばしてやろうか。
成長した私は幾分社会に溶け込む術を持っていたので、やんわりと断り曖昧に笑い、詰められた距離だけ身を引いた。
「俺も仕事だけどさ…行こうよ、」
「っ、やめてください、！」
突然スカートの下の太ももに手が触れ、思わず後ずさる。と、横に置いていたバッグが派手に床に転がり落ちた。
その音にスっと手が離れ、何事も無かったかのように別の女の子に話しかける隣の男。
私今日なんでこんな所にいるんだろ。
大先生が前にいるのにも関わらずそれも忘れてため息をついた。
落としたバッグを拾い上げ、どこかへ転がったボールペンをしゃがんでキョロキョロ探していると、不意に視界に男物の革靴。
前に座る大先生が私の頭上を眺め、「あれ？」と不思議そうに言葉を発したのが聞こえた。
「はい、落としたで」
「あ、すみませ………え、」
「なんでトンちこんなとこおるん？」と間抜けな声で大先生が呼ぶのにも反応せず、ぴしりと固まったまま動けない私の腕を荒々しく引っ張り店の外へと歩みを進める彼は、
「えらい久しぶりやなぁ……A」
「…………トントン、先輩…」
あの頃より少し大人びた愛しくて堪らないその顔で、ニヤリと意地悪く口角を上げた。
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夢月(プロフ) - 心臓がギュンってなりました対ありでした、、、 (2022年9月10日 6時) (
レス) @page17 id: 93204524cb (このIDを非表示/違反報告)
ニコチンキッド - とても好きすぎてスマホ叩きわりました (2022年6月28日 23時) (レス) @page17 id: 5ea514a864 (このIDを非表示/違反報告)
))k(( - めちゃくちゃに好きな神作品…っ (2022年3月12日 22時) (レス) @page17 id: 871e1d6cc0 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット_(プロフ) - かなり前に完結済みの作品様ですが、コメント失礼致します。わー！めっちゃ好きです！リクエストで申し訳ないんですけど、夢主ちゃんと付き合ってた時の紫の後輩くんのこととか知りたいです…！この作品一気にお気に入りになりました…もう好きです… (2021年7月10日 20時) (レス) id: bc77977d93 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 以前の作品にコメント失礼します。前作から一気に拝見させて頂きました。切ないストーリーだけど、それだけじゃなくクスッと笑える部分も多く、高校卒業後のすれ違いが最高に好きでした…。本当にこれ以上の作品に出会える気がしません；； (2021年5月23日 8時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年2月4日 23時
