煌(9) ページ10
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試合後はいつも沸き立つ熱気に興奮冷めやらぬまま会場を出る。勝っても負けてもそれは同じで『今日もいい試合だったね』と友人と今日の感想を語り合いながら揃って出口を目指すのだ。
今日も応援団の輪の最後尾を付いて友人と会場を後にしながら、私は平時より輪をかけて興奮した面持ちで友人に迫っていた。
「ねぇ!さ、最後!選手が並んでこっちに挨拶するとき、絶対木兎先輩と目合った!」
「はいはい、それAの周りにいた全員そう思ってるから」
「違うよ〜!あれは絶対こっち見てた!それでなんか、びっくりした顔してたの」
友人は軽い調子で聞き流していたものの、私はその瞬間見えた明らかに驚きを隠せていない木兎先輩の顔が未だ脳裏に焼き付いている。何に驚いていたんだろう。そう考えるもその場で格段目立ったことをしていた事実も無く、ただみんなの輪に混ざっていただけなのだけど。
「だからAじゃなかったんだよ。ほら、今日も木兎先輩のうちわ持ってる人近くにいたじゃん、多分それだよ」
「え〜?そんなの全然珍しくないじゃん、いつも何人もいるじゃん…」
「Aが応援に来ることだって珍しくないでしょ?はいもうこの話は終わり」
「冷たくなーい!?もうちょっと期待させてよ!」
階段を下りながら一貫してドライな友人に頬をふくらませる。「そもそも木兎先輩がAの顔判別出来てるわけないじゃん」と膨らませた私の頬を指で突きつつそう言った友人の言葉にはたと立ち止まる。
そうだ。そう言えば私、誰にも報告していなかったのだ。
「名前覚えるの苦手って言ってたけど、顔くらいは覚えてて貰えてると思う…」
「え?」
「この間、告白したの」
「………は?」
待って、と額に手をやる友人のドライな表情を遂に崩した私は「まぁ、ちゃんと振られたんだけど、」と続けようとしたのだけど、それは遮られる。
「______あっ、来た!なぁ、お前この間の!」
残り五段だった階段の下、応援団の先輩たちに囲まれて労いの言葉をかけられていたであろう本日のスターが輪の中心から飛び出してきて、固まる私と友人の元へずんずんと向かってくる。
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みんみん(プロフ) - ゆららさんのお話、とても大好きです!楽しくってキュンとしながら読ませて頂きました!! (4月18日 9時) (レス) @page47 id: 708a20f575 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 木兎さん最強でした……普段コメントしませんが、思わず感想をお伝えしたくなりました…!めちゃくちゃキュンとしました!! (2022年7月22日 2時) (レス) @page47 id: 448a7aaf1d (このIDを非表示/違反報告)
rry - ハイキューをテーマにした3作品読ませていただきました!全部最高で星10です! (2021年11月14日 22時) (レス) id: 7243f08c85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 天羽さん» 天羽様初めまして!何度も読み返して頂き光栄です…!完結までもう暫くお付き合い頂ければ幸いです!コメントありがとうございました( ´ ` *) (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 紅月。さん» 紅月様はじめまして!糖分増し増しで頑張っていきますのでこれからもご贔屓にお願いします( ´ ` *)コメントありがとうございました! (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆらら | 作成日時:2021年7月10日 20時