煌（２８） ページ29
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一週間が経った。
すぅすぅする帰り道にも幾分慣れ、『今頃木兎先輩は何してるかな』を穏やかに考えられる心の余裕が生まれるくらいには落ち着いていた。
この一週間本当に木兎先輩を感じる瞬間はぽつぽつと交わしていた電話のときだけで、学校内ですれ違うことも理由を付けて会うこともしなかった。
それもそのはず、相手はスター木兎光太郎。
決して毎日暇な人ではないのだ。
唯一のコンタクトツールである電話も不定期で、毎日の習慣になることは無かった。
一旦落ち着けばどうにかなるものだ。
なんせ相手はあの木兎光太郎。そもそも私の顔と名前を認知してくれているだけで神に膝を着いて感謝すべき事案だ、とすっかり木兎先輩と交流が生まれる前のファン思考に頭が塗り替えられていた。
｢手なんか組んでどうしたの？｣
｢神に感謝を伝えてた…｣
｢…、ふーん｣
引き気味で相槌をうった友人とお弁当を囲むいつもの昼休み。
今日の午後の授業の宿題の話だとか、放課後の空腹を満たすための寄り道の話だとか、そんな普通の会話を交わしていたなんでもない昼休み。
｢___Aちゃーん。呼ばれてるよ｣
教室の扉付近の席のクラスメイトの声に顔を上げる。
立っていた人に見覚えはあった。所々跳ねた黒髪に釣り気味の目。
｢あれ、赤葦先輩じゃないの？｣
友人の声に頷く。何故、どうしてこんな所に。
ぐるぐると頭が回るも私と目が合い軽く頭を下げる赤葦先輩にはっとして、急いで廊下に出た。
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｢急に呼び出してごめん、ご飯中に｣
｢いえ、そんな！｣
ピシッと見本のように制服を着こなす赤葦先輩を前に、木兎先輩はシャツのボタンが二つ空いていて、ネクタイもゆるゆるだったなとこの場に余計な邪念が湧いてきてぶんぶんと頭を振った。
それよりも私は同級生と数名の三年生の間だけでなく、二年生にまで顔と名前が割れているのかと気後れした気分になる。学園の大スターに贔屓にされるとはこういうことかとその影響力に改めて恐れ慄くばかりだった。
そんな私を他所に無表情を貫いていた赤葦先輩は、口を開くと同時に少しだけバツが悪そうな顔をする。
｢…俺がこんなこと頼むのもどうかと思うんだけど、ちょっと協力してほしくて…木兎さんのことで｣
｢へ？木兎先輩？｣
急に引っぱり出された木兎先輩の名前に意図せず間抜けな声が漏れる。
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みんみん(プロフ) - ゆららさんのお話、とても大好きです！楽しくってキュンとしながら読ませて頂きました！！ (4月18日 9時) (
レス) @page47 id: 708a20f575 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 木兎さん最強でした……普段コメントしませんが、思わず感想をお伝えしたくなりました…！めちゃくちゃキュンとしました！！ (2022年7月22日 2時) (レス) @page47 id: 448a7aaf1d (このIDを非表示/違反報告)
rry - ハイキューをテーマにした3作品読ませていただきました！全部最高で星10です！ (2021年11月14日 22時) (レス) id: 7243f08c85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 天羽さん» 天羽様初めまして！何度も読み返して頂き光栄です…！完結までもう暫くお付き合い頂ければ幸いです！コメントありがとうございました( ´ ` *) (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 紅月。さん» 紅月様はじめまして！糖分増し増しで頑張っていきますのでこれからもご贔屓にお願いします( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2021年7月10日 20時
