煌（２２） ページ23
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あ、拗ねてる。
一瞬でそう認識させる程の不服丸出しの顔で登場した木兎先輩。
私にさえそれが伝わるのだから親交の深い木葉先輩も例外ではなく、｢んな怒んなよ〜。仲良くしろよ｣とそそくさと退散してしまう。
｢すみません！遅くなりました｣
｢木葉となに話してたの？｣
｢え？木兎先輩の話、です｣
｢えっ？なーんだ！それなら許す！｣
こっち来て、と小窓から手招きする木兎先輩に従い改めて教室の扉を開けてそろりと入室する。席替えをしたのか、木兎先輩の席はあの日と違い廊下側になったよう。
教室内に疎らに残っていた三年生に萎縮しまくりで木兎先輩の座る椅子の隣にしゃがみこむ。これが同級生のクラスであれば隣の席の椅子など断りもなく勝手に座るものの、天下の三年生ともなるとそういう訳にはいかない。
｢…んふふ、ちいせぇなぁ｣
｢っ、！ぼ、木兎先輩が、大きい｣
しゃがむ私を見下ろす木兎先輩はくしゃりと私の頭を撫でる。
不意に暖かい体温に当てられ身構えていなかった私が普通のことを言えば、木兎先輩は口元だけで小さく笑う。
どくりと高鳴る胸に耐えきれずに思わず視線を泳がせた先、木兎先輩の机の上に乗る数学の課題のようなものに目がとまる。
｢あ…これ、やってたんですか？｣
｢そーなの。今日出すやつだったんだけど全然終わんねぇ〜。Aも手伝ってよ｣
｢ごめんなさい、まだ数�圭�ってないです｣
終わるまで待ってるので、と言えば満足気に微笑む木兎先輩。きっと、私にこれを言わせたかったのだ。
ゆっくりと進む角張った手の動きに視線を這わせていれば、ぽつりと木兎先輩は零す。
｢木葉と仲いいの？｣
｢え？…まさか！今日初めて話しました｣
｢ふーん…。Aは俺じゃなくても楽しそーに話すんだ｣
｢そりゃ…木葉先輩も話しやすかったですけど、私の一番は木兎先輩だけです｣
｢………ふぅーん？んなら、まぁいーけど？｣
｢…もしかして、不安になりました？｣
ギクリ。分かりやすく固まる姿にふっと吹き出せば口と眉をへの字に曲げた顔と目が合う。
｢………A、俺んことすき？｣
｢はい！一番好きです｣
瞬間、どんよりして見えていた黄金色の瞳にハイライトが足され、じわじわと表情筋を溶かす。
不意に伸ばされた手は指先でするりと頬を撫でて離れていった。
頬はいつまでも熱いままだった。
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みんみん(プロフ) - ゆららさんのお話、とても大好きです！楽しくってキュンとしながら読ませて頂きました！！ (4月18日 9時) (
レス) @page47 id: 708a20f575 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 木兎さん最強でした……普段コメントしませんが、思わず感想をお伝えしたくなりました…！めちゃくちゃキュンとしました！！ (2022年7月22日 2時) (レス) @page47 id: 448a7aaf1d (このIDを非表示/違反報告)
rry - ハイキューをテーマにした3作品読ませていただきました！全部最高で星10です！ (2021年11月14日 22時) (レス) id: 7243f08c85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 天羽さん» 天羽様初めまして！何度も読み返して頂き光栄です…！完結までもう暫くお付き合い頂ければ幸いです！コメントありがとうございました( ´ ` *) (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 紅月。さん» 紅月様はじめまして！糖分増し増しで頑張っていきますのでこれからもご贔屓にお願いします( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2021年7月10日 20時
