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煌(2) ページ3

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私立梟谷学園高校、一年一組。
この学校の敷居を跨いでからまだ日は浅い。特段秀でた能力がある訳でもない私がわざわざ私立高校に入学したのは単に姉が通っていたからというだけで特別面白い理由があったわけでもなかった。が、後付けで木兎先輩の存在が入学理由に絡んで来たことは我ながら面白い。

ここ梟谷学園が男バレの強豪校だということは入学してから知った。かなり昔、姉がここに通っていた時代にチラと聞いたような気もするがその時は当然そんな情報を脳に留めておく理由も無かった。


____と、そもそも事の発端は。
入学当初、生徒会や運動部の有志を募って男バレの大会に赴く応援団を募集しているのを見て、せっかくだから一回くらい行ってみようよ!とほんの軽い気持ちで友人と参加を決めたことだ。
バレーの知識なんて殆ど無い、ましてや男バレの先輩の名前すら軽く目を通した応援の流れを記したプリントを見て初めて知り、それも目を離した瞬間に頭から抜け落ちていた。____本当に、こんな筈じゃなかった。


噎せ返る程の熱気に包まれた体育館の中、背中に四番を背負った一際ガタイのいい先輩。
応援に来ていた他の先輩たちもその人を目で追っているのを感じた。

あぁ、人気者なんだと思った。何故か、ちりりと胸が痛んだ。



「____木兎さんっ!」

「っ!………!」





木兎、さん。



コートの中、五番を背負った黒髪の先輩の声を頭で復唱しながら彼の動きを目で追った。
まるで靴にバネでも入っているのかと疑ってしまうほど、ボール目掛けて軽々と翔んだその人が打ち付けたボール。


「っしゃぁ〜〜〜!!!ヘイヘイヘ〜〜イ!」


その人をが両手を突き上げた瞬間、試合終了のホイッスルが高らかに鳴った。
私の周りで起こる地鳴りのような歓声に満面の笑みで応える木兎先輩。クラスメイトなのか、「木兎〜!かっこいいー!」なんて叫ぶ前列の先輩の声にやっぱり胸が痛い。それに誇らしげに胸を反らす木兎先輩に、もっと胸が痛い。


…なんだ、これ。なんなんだ、これ。


勝利の歓喜に満ちている応援席の中、一人神妙過ぎる顔で胸を押さえつけていた私は具合でも悪いのかと思われていただろうか。幸いにもこんな場所で私を見ている人など誰もおらず声をかけられることなど無く事なきを得た。

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みんみん(プロフ) - ゆららさんのお話、とても大好きです!楽しくってキュンとしながら読ませて頂きました!! (4月18日 9時) (レス) @page47 id: 708a20f575 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 木兎さん最強でした……普段コメントしませんが、思わず感想をお伝えしたくなりました…!めちゃくちゃキュンとしました!! (2022年7月22日 2時) (レス) @page47 id: 448a7aaf1d (このIDを非表示/違反報告)
rry - ハイキューをテーマにした3作品読ませていただきました!全部最高で星10です! (2021年11月14日 22時) (レス) id: 7243f08c85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 天羽さん» 天羽様初めまして!何度も読み返して頂き光栄です…!完結までもう暫くお付き合い頂ければ幸いです!コメントありがとうございました( ´ ` *) (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 紅月。さん» 紅月様はじめまして!糖分増し増しで頑張っていきますのでこれからもご贔屓にお願いします( ´ ` *)コメントありがとうございました! (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆらら | 作成日時:2021年7月10日 20時

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