煌（１６） ページ17
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私史上テスト期間がこれほどいい物だと思ったことは無い。勉強の出来は中の中で少し油断すれば一気に平均以下に転がり落ちる私は人より少し意識して勉強しなきゃいけなくて、それが顕著になるテスト期間をいい物だなんて生きていて思ったことは無いのだけど。
｢____A〜！帰ろ！｣
教室の扉から叫ばれた名前にがたりと席を立つ。
今日も一段と眩しい木兎先輩の輝きに目をやられながら、集まる視線を掻い潜って木兎先輩の元へ足を進めた。
初めて帰宅を共にした日から三日が経っていた。その間木兎先輩はきちんと覚えてくれていた私の一年一組のクラスに毎日私を呼びにやって来た。
毎回周りの視線や自分が如何に目立っているかなどを完全に意に介さず眩しい笑顔を携えやって来て、おまけに私を名指しで呼ぶのだ。正直な所最近は、学園のスターに個人名を叫ばれている私の方が目立っている気がしてならない。…まぁ最も、私はどんな状況でも木兎先輩に名前を呼ばれるのが嬉しくて、細かいことは何も気にせず純粋に満ち満ちた気分になっているのだから関係ないが。
本当に教科書が入っているのかと疑うような薄っぺらいスクールバッグをぷらぷらと片手で揺らしながら歩く木兎先輩を横目に私もその隣を歩く。
こうして帰っているとき、木兎先輩から気まぐれに振られる話題に相槌をうつこともあれば特に何を話すでもなく木兎先輩から時折零れる鼻歌を静かに聞いているだけのときもある。これもこの人のスター性がなせる技かはたまた木兎光太郎という人の人間性か、木兎先輩とは知り合って日が浅いのに沈黙が苦痛に感じない。変に気張ることも無いし、闇雲に話題を探そうと躍起になることもないのだ。おまけに話題を振られても話しやすい空気で包んでくれる。
なんだろう。それに深い理由なんてなくて、ただ単に好きな人にだからだろうか。それにしたってこんなにゆるっとした空気になるだろうか。いや、たまにすごくストレートなことを言われる時は心臓に負荷がかかるけど。
今日は木兎先輩が鼻歌を歌っている日だったのをいい事に、私はぼんやりと脳内議論に花を咲かせていた。
と、そんな思考の渦から私を引き上げるようにして隣から｢あ、そーだ｣と思い出したかのような呟きと、制服のポケットをまさぐっている木兎先輩が見える。
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みんみん(プロフ) - ゆららさんのお話、とても大好きです！楽しくってキュンとしながら読ませて頂きました！！ (4月18日 9時) (
レス) @page47 id: 708a20f575 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 木兎さん最強でした……普段コメントしませんが、思わず感想をお伝えしたくなりました…！めちゃくちゃキュンとしました！！ (2022年7月22日 2時) (レス) @page47 id: 448a7aaf1d (このIDを非表示/違反報告)
rry - ハイキューをテーマにした3作品読ませていただきました！全部最高で星10です！ (2021年11月14日 22時) (レス) id: 7243f08c85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 天羽さん» 天羽様初めまして！何度も読み返して頂き光栄です…！完結までもう暫くお付き合い頂ければ幸いです！コメントありがとうございました( ´ ` *) (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 紅月。さん» 紅月様はじめまして！糖分増し増しで頑張っていきますのでこれからもご贔屓にお願いします( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2021年7月10日 20時
