煌（１２） ページ13
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がたん！と椅子が耳障りな騒音を立ててスライドし、クラスメイトと同級生の好奇の視線に晒されながらそっと廊下を覗く。
廊下のど真ん中で女バレの同級生と言葉を交わしている木兎先輩が視界に入り、改めて色々な意味で大きな人だなとそれを眺めていると。
｢…あっ！ありがとなー呼んでくれて｣
教室から顔を覗かせた私に気づいたらしい木兎先輩は女バレの子に笑顔を向けた後ぶんぶんと私に手を振る。
会釈の後ぱたぱたとこちらに向かってくるその子に｢ほら行きな！｣と手を引かれ、ガッツポーズまで頂いて私も何故かきりりと眉尻と口角を上げてその子に大きく頷いた。新たな友情が芽生えた瞬間だった。
｢木兎先輩、お久しぶりです！｣
｢だな！元気にしてた？｣
｢はい、変わりないです。木兎先輩は…元気そうですね｣
所見でそう判断した私に｢なんで分かんの！？｣と大袈裟な反応を返す木兎先輩に薄らと微笑む。
時にこの期間、三年生もテストで部停止となっているはず。その証拠に木兎先輩は今制服で、スクールバッグ片手にこんな所で油を売っているのだ。
｢…あの、木兎先輩｣
｢なーに？｣
｢私の事呼んでたって聞いて…何か、御用でしょうか？｣
今まさに帰ろうといった様子の木兎先輩は何故か自身のクラスから階段を上がってわざわざ一年の教室がある三階に来ている。
それも、『A呼んでくんない？』と同級生に聞いて回っていたというのだから益々首を傾げるばかり。
全教室からこちらのやり取りを覗いている複数の同級生の気持ちも背負い、私は尋ねた。
恐る恐る、全く読めない木兎先輩の行動に顔色を窺う私を惚けた顔で見つめていた当本人は、考えるように視線を宙へ彷徨わせる。
｢ん〜…用…？別に用は無い、けど…。ただ一緒に帰ろーって誘おうと思って来ただけで、｣
｢へ？｣
一緒に、なんて言った？と食い気味に困惑の音を零した私の口はぽかんと開きっぱなしで、突っ込みどころ満載の木兎先輩の突飛な言動を読み込むためにたっぷり五秒の間を要した。
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みんみん(プロフ) - ゆららさんのお話、とても大好きです！楽しくってキュンとしながら読ませて頂きました！！ (4月18日 9時) (
レス) @page47 id: 708a20f575 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 木兎さん最強でした……普段コメントしませんが、思わず感想をお伝えしたくなりました…！めちゃくちゃキュンとしました！！ (2022年7月22日 2時) (レス) @page47 id: 448a7aaf1d (このIDを非表示/違反報告)
rry - ハイキューをテーマにした3作品読ませていただきました！全部最高で星10です！ (2021年11月14日 22時) (レス) id: 7243f08c85 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 天羽さん» 天羽様初めまして！何度も読み返して頂き光栄です…！完結までもう暫くお付き合い頂ければ幸いです！コメントありがとうございました( ´ ` *) (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 紅月。さん» 紅月様はじめまして！糖分増し増しで頑張っていきますのでこれからもご贔屓にお願いします( ´ ` *)コメントありがとうございました！ (2021年8月17日 12時) (レス) id: 4397bbbd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2021年7月10日 20時
