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人質2日目。 ページ36

柊「…宇佐美。」

先生は落ち着いた声で香帆を呼んだ。


香帆は泣いてるままだ。


柊「お前は景山達にした事が自分にされたらどんな思いをするのか。


……考えたことあったか?」

宇「…説教?」

柊「…そうだ。説教だ。

二度と、こんなことにならないようにな。」

先生は香帆と向き合おうとしてる。

…香帆が私たちにした事がどれだけ愚かだったのか…わからせるために。

でも香帆は

宇「うるさいっ!!!」

逃げようとする。自分を正当化しようとして、周りに耳を傾けようとしない。

そんな香帆に先生は

柊「っ…逃げるなぁぁぁあああ!」

懇親の叫びを香帆にぶつけた。


香帆はゆっくりと顔を上げ、先生を睨み付けるように見た。


柊「そうやって大声で拒絶して、誰の意見にも耳を傾けずに生きてきたんだな。

……そのせいであんな馬鹿なことをしても
何も感じない人間になったんだな。」


香「…っなんであんたにそんなこと言われなきゃいけないの?!」

柊「…俺は……お前の教師だからだ。」

先生は真っ直ぐ、ただ真っ直ぐに香帆を見つめた。

その言葉は偽りではない。

……先生の本当の気持ちなんだ。


柊「…お前を正しい方向に、導く義務がある。」


宇「っ!」

ガタガタガタッ!!

香帆は怒りに任せて机を押し倒した。

宇「…ふざっけんな!

今まで何もしてくれなかったくせに……!」

柊「そうだ。

…………だからだよ。

だから俺は今、この瞬間に!

お前達の教師になるために!

……こうして此処に立って居るんだ。」

先生は一筋の涙を流しながら、みんなに訴えた。


そして香帆に向き直り、

柊「宇佐美。お前に足りなかったのは想像力だ。

……もし、自分の家の窓を割られたら。

…もし、自分の胴着や水着を切り裂かれたら。

…もし、自分の大切な竹刀を折られたら。

どんな思いを、するのか。」


香帆は耳を塞ぎ、

嗚咽をあげ、

泣いていた。


柊「嘘の投稿で、謂れのない中傷を受けたらどれほど傷つくのか。


…………お前にはその痛みを、想像できなかったんだ。」

香帆は拒絶するように

宇「ぅるさいうるさいうるさいうるさいうるさい…!」

叫んだ。

先生の声が聞こえないように耳を塞ぎながら。

自分と向き合おうとしなかった。


先生は香帆の顔を上げさせ、

真っ直ぐ向き合った。

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腹黒女子 - 面白いです!再新待ってます!!<(>ω<)/ (2019年3月21日 14時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - あきほさん» ありがとおおお(´TωT`)明日から続編を更新するからこれからも見てってな! (2019年3月14日 21時) (レス) id: 7efa002e96 (このIDを非表示/違反報告)
あきほ(プロフ) - 更新が楽しみすぎて更新されたらめっちゃ嬉しい!! (2019年3月14日 21時) (レス) id: 7b4e9ea3d6 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 天然水さん» まじか。どちゃくそ嬉しすぎて文字打つ手が震えております……!天然水さん大好き((きしょ (2019年3月14日 18時) (レス) id: 7efa002e96 (このIDを非表示/違反報告)
天然水(プロフ) - 最近、時間があればこの小説みるのが日課になってる気がするwほんとにめっっっちゃくちゃ面白いんでこれからも更新頑張ってください! (2019年3月14日 18時) (レス) id: 1a2852e490 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美紀 | 作成日時:2019年3月7日 19時

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