見習い生活172 ページ39
「それじゃあ、私は本部に戻るわね」
軽く小話を挟んだ後、鈴姫さんが立ち上がり椅子を片付け始める。
「うん、わざわざ今日はありがとう……鈴姫さん」
その内に、私も慣れたのか敬語をあまり使わなくなっていた。
私の言葉を聞いて、鈴姫さんは嬉しそうに微笑む。
そして、病室から出て行く間際に一言。
「こうして見るとやっぱお似合いね、お二人さん！」
「なっ……！」
驚いている間に、ガチャンと白い扉が閉まる。
途端に静まり返る室内。
「…………」
私は冷やかされて、口をぱくぱくさせていた。
は、恥ずかしい……。
しかも本人である田噛さんと二人きりなのだから、余計……。
「っ……」
恥ずかしさがマックスになりかけて、慌てて首を軽く横に振った。
いけないいけない。
危うく田噛さんを突き落としそうになった……。
いや、びっくりさせるのも一つの手かも……じゃなくて！
「…………」
数日前にしたことと同じ様に、田噛さんの顔を覗いて見る。
……やっぱり格好良い。というか、綺麗な顔をしている。
本人に言う気は全く無いから、今の心の中で言っておこう。
黒髪も綺麗だし、切れ長の目も格好良い。
ぶっきらぼうだけど、本当は優しい所もあって……周りを良く見てくれていて……。
その全てが好きだ。一言じゃ言い表せないくらい、好き。
「っ……」
自然と、目から涙が溢れ出てくる。
いつの間に、こんなに泣き虫になってしまったのだろう……。
「……大好き」
眠っているその人に、言えなかった一言を言うと同時に、雫がぽつりぽつりと落ちる。
昔のあの男の子だから好きなんじゃない。
今の田噛さんという人物のことが、私は大好きだ。
心の中で言えれば、それで十分。
寝ていても、彼の前で好きだと伝えられれば、それで十分。
だって、私は彼に怪我させてしまったのだから。
理由はなんであれ、きっと怪我した原因は私にあるのだろうから。
そっと自分の足を横に移動させ、ベッドの上で寝ている田噛さんをもう一度確認する。
やっぱり獄卒なんて辞めた方が……。
そんなことを思いながら、一歩踏み出した時だった。
「……今度は何処に行くつもりなんだ」
「っ……」
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神無月(プロフ) - 田噛ー！かっこよすぎです！ (10月10日 18時) (
レス) @page45 id: cbb245cf81 (このIDを非表示/違反報告)
文章 野良(プロフ) - かふぇいんさん» キュンキュンして下さったのですか！？あ、ありがとうございます！更新頑張りますので、お暇があればまた見ていって下さい！コメントありがとうございました！！ (2017年11月8日 19時) (レス) id: 8bbe2f647f (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 一気読みしました！キュンキュンしすぎて心臓いくつあっても足りないですよ!!どうしてくれるんですか!?（精一杯の誉め言葉）更新待ってます(^_^) (2017年11月8日 17時) (レス) id: 85405eb198 (このIDを非表示/違反報告)
文章 野良(プロフ) - ねむねむさん» 面白いと言って頂けて光栄です！更新ペースを出来るだけ早く出来るよう努力しますので、どうぞこれからもよろしくお願い致します！ (2017年10月26日 1時) (レス) id: 8bbe2f647f (このIDを非表示/違反報告)
文章 野良(プロフ) - 恵方巻きさん» お返事が遅れてしまいすみません……！楽しみにして頂いて、本当に感謝しております……！これからも、どうぞよろしくお願い致します！ (2017年10月26日 1時) (レス) id: 8bbe2f647f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文章野良 x他1人 | 作成日時：2017年2月24日 22時
