見習い生活170 ページ37
「それより、私……結構腕には自信あったんですよ。だから負けて凄く悔しい感じがします」
体の痛みより……。
胸を軽く抑えて言うと、鈴姫さんは分かってると言う様に首を横に振る。
「Aが強いことくらい初めて会った時から知ってる」
その言葉に、私は少し驚いた。
初めて会った時……つまり、あの運動会の時。
私は鈴姫さんのフレイルを手裏剣で受け止めた。
その時点で、鈴姫さんは既に分かっていたのだろうか。
だとすれば、流石本部のトップ辺りに並ぶだけある。
「少なくとも、見習いにしておくのは勿体無いと思ったわ」
その言葉に、今度はどきりとした。
そういえばそうだった。
私は見習いを名乗っているのだ。
何普通に腕には自信ありますだなんて、言ってしまっているのだろう……。
まぁ、鈴姫さんが私の過去に触れてくることが無いのを見る限り、違う考えで決着を付けてくれているのか、聞かないでおいてくれているのか……。
どちらにせよ、田噛さんに話すだけで十分だったからありがたい。
「それに、Aが負けた原因は力不足というより、環境に問題があったんだろうし」
「環境……？」
私が負けた原因まで、大体予想がついてるのだろうか……。
首を傾げながら、その意味を更に詳しく鈴姫さんに聞く。
「暗かったのよ。手元しか見えないくらい、真っ暗。なのに相手はこちらがよく見えている。……反則よ」
全く……なんて言いながら、鈴姫さんが片方の手を腰にあてた。
成る程。力不足も勿論原因たけど、そんな環境での戦いだったのも原因に見える。
何より、生前はすぐに夜目が利いて周りに対応出来てたし……。
……やっぱり力不足だ。
「？ でも、鈴姫さんと田噛さんは大丈夫だったんですよね……？ 何故……」
鈴姫さんの話を聞く限り、死んだのは私だけで、二人はきちんと亡者を倒して来ている。
何故、暗い中でも戦うことが出来たのだろうか……。
それを聞くと、あぁ……と言って、鈴姫さんが何かの仕草をし始めた。
右手の親指を上にして、全体的に軽く握る様にしており、親指を横にスライドさせている。
「……あ、もしかして懐中電灯？」
思い当たる節があって聞いてみれば、どうやら当たりらしい。
鈴姫さんが頷くのを見て、私は思った。
……やっぱり力不足じゃんか私……。
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神無月(プロフ) - 田噛ー！かっこよすぎです！ (10月10日 18時) (
レス) @page45 id: cbb245cf81 (このIDを非表示/違反報告)
文章 野良(プロフ) - かふぇいんさん» キュンキュンして下さったのですか！？あ、ありがとうございます！更新頑張りますので、お暇があればまた見ていって下さい！コメントありがとうございました！！ (2017年11月8日 19時) (レス) id: 8bbe2f647f (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 一気読みしました！キュンキュンしすぎて心臓いくつあっても足りないですよ!!どうしてくれるんですか!?（精一杯の誉め言葉）更新待ってます(^_^) (2017年11月8日 17時) (レス) id: 85405eb198 (このIDを非表示/違反報告)
文章 野良(プロフ) - ねむねむさん» 面白いと言って頂けて光栄です！更新ペースを出来るだけ早く出来るよう努力しますので、どうぞこれからもよろしくお願い致します！ (2017年10月26日 1時) (レス) id: 8bbe2f647f (このIDを非表示/違反報告)
文章 野良(プロフ) - 恵方巻きさん» お返事が遅れてしまいすみません……！楽しみにして頂いて、本当に感謝しております……！これからも、どうぞよろしくお願い致します！ (2017年10月26日 1時) (レス) id: 8bbe2f647f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文章野良 x他1人 | 作成日時：2017年2月24日 22時
