見習い生活137 ページ4
「あ……れ……」
目を開けば、まだぼやける視界の中、見慣れない天井が目に入った。
私……どうしたんだっけ。
確か、頭がぐらぐらしてた時佐疫さんに会って、そのまま倒れて……。
「……！」
其処まで思い出して、上半身を勢い良く起こした。
途端に少し頭が痛くなって、片手で抑える。
……寝すぎたのだろうか。
「騒がしいな、お前」
「！ 田噛さん……」
すぐ隣から聞こえた声に一瞬驚いて其方を見れば、いつも通りの無表情で此方を覗き込むその姿……。
正直悔しいけど、ほっとした。
「私……」
「栄養失調」
「？」
口を開いた私を遮り、田噛さんがその言葉を口にする。
栄養……失調……？
「お前、食べなさすぎなんだよ。倒れるとか阿保だろ」
「な……！ 阿保じゃないです。ただ食べるのを忘れていただけです」
「もっと駄目じゃねぇか」
当たり前の様に言った私に、最初からそう言うことがわかっていたかの様に即返された。
食べるのを忘れてしまっていたのだから、仕方ない。
目でそう訴えかける私に、田噛さんは軽く溜息をつき……
「とにかく、お前は今日から無理にでも飯を食べさせる。肋角さんからきつく言われた」
「えっ……⁉」
面倒そうに言われたその言葉の意味に、驚いて目を見開いた。
肋角さんがそんなことを……？
「何故？」
「自分で考えろ」
素直に聞けばその一言でバッサリと切られる。
この野郎私がちょっと弱々しくなっているからって……。
ムカムカしながら、とある一つの疑問に到達した。
「そもそも何で田噛さんが此処にいるんですか」
私の記憶が正しければ、佐疫さんならまだしも田噛さんが来るのはおかしいのでは……？
「お前が倒れる時、俺も近くにいたんだよ」
「あぁ、なるほど。因みに、私はどれくらい此処で休息をとっていたんですか？ 田噛さんはいつから此処に？」
次の質問を一変にぶつければ、田噛さんは少しの間黙った後……。
「丸一日は寝てたな」
それだけを答えた。
いや、それだけだと後者の質問の答えが出ていない。
「はぐらかさず、最後の質問にも答えて下さい」
長時間いたのであれば、何かお礼くらいはしないといけない。
私だって別に其処まで鬼という訳ではないのだ。
実際は地獄の鬼……だけど。
すると、田噛さんは黙って此方を数秒間見た後……、
「丸一日」
そう答えるのだった。
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神無月(プロフ) - 田噛ー！かっこよすぎです！ (10月10日 18時) (
レス) @page45 id: cbb245cf81 (このIDを非表示/違反報告)
文章 野良(プロフ) - かふぇいんさん» キュンキュンして下さったのですか！？あ、ありがとうございます！更新頑張りますので、お暇があればまた見ていって下さい！コメントありがとうございました！！ (2017年11月8日 19時) (レス) id: 8bbe2f647f (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 一気読みしました！キュンキュンしすぎて心臓いくつあっても足りないですよ!!どうしてくれるんですか!?（精一杯の誉め言葉）更新待ってます(^_^) (2017年11月8日 17時) (レス) id: 85405eb198 (このIDを非表示/違反報告)
文章 野良(プロフ) - ねむねむさん» 面白いと言って頂けて光栄です！更新ペースを出来るだけ早く出来るよう努力しますので、どうぞこれからもよろしくお願い致します！ (2017年10月26日 1時) (レス) id: 8bbe2f647f (このIDを非表示/違反報告)
文章 野良(プロフ) - 恵方巻きさん» お返事が遅れてしまいすみません……！楽しみにして頂いて、本当に感謝しております……！これからも、どうぞよろしくお願い致します！ (2017年10月26日 1時) (レス) id: 8bbe2f647f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：文章野良 x他1人 | 作成日時：2017年2月24日 22時
