31、みんなの助けに ページ32
バ「彼女達を無事おうちに帰したいでしょう? だったら殴ってくださいよぉ!」
そう嬉しそうに言うバーズの声に吐き気がする。湧きだす怒りは止まらない。
うつむきながら、震えるこぶしを胸の前で覆う。どうしたらいい? 私はこんなの見てられない!
山「A……ちょっと下がってろ。おいお前、無茶言うな!」
山本さんは私からバーズが見えないように、優しく私を背中に回した。
「ありがと…」
まるで私の今の心の中が見えているかのような行動に、少しいらだちの波が引く。そうだよ。何を私は焦っていたの? ここは深呼吸……。
バ「驚いた時の無防備で、無知で無謀な人間の顔……それだけで興奮して……!!」
頭がカッと熱くなるような言葉。
「……っ」
ビ「完璧な変態ね」
そんな私の横で冷静に呟くビアンキは、彼女らしいやさしさで、
「嫌われ役には慣れてるわ」と、
ツナを助けてくれるんだ。優しい人。自分を犠牲にできる人。
――私はそんなあなたのようになりたいです。だから、
バ「これで10代目を……ブスッと、刺しちゃってください」
ツ「ええ――っ!?」
バ「さぁ……やっちゃって」
京子に迫るツインズのどっちか。ジジ? ヂヂ? もう忘れたよそんなの。そいつの長く鋭い爪が京子の頭に触れるか触れないかの時――、
ツ「待って!!」
やっぱりそう来るよね。
ツ「絶対ダメだ!! 関係ない京子ちゃんを酷い目に遭わせるなんて!」
でもね、やっちゃいけない。その剣には猛毒が塗ってあるんだ。1かすりでもしたらすぐに……。そんな危険なものを、あいつは他のものを利用して、自爆させようとしてるんだよ。何一つ自分は動かずに……。
ツキン。
少し痛んだ頭。理由なんて分かってる。
「……バーズ…」
光る敵のメガネの奥を、これでもかと睨みつけてから私は、大きく息を吸う。そうだ……そろそろ変わらなくちゃ。山本さんを、みんなを、ボンゴレを守るための一歩。こんなの、悩む前に利用してやればいいんだ。
―――だから私は、裏を出します。
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実結(プロフ) - 真希makiさん» コメありがとうございます!!読みやすいとか最高の褒め言葉ですね!(*´▽`*)嬉しいです♪お気遣いも感激です!真希makiさんも更新、頑張ってください! (2015年6月9日 21時) (レス) id: 88d69550ce (このIDを非表示/違反報告)
真希maki(プロフ) - とっても面白いです!文の構成が好みで、読みやすかったです!小説の更新大変かと思いますが頑張って下さいね!応援してます! (2015年6月8日 21時) (レス) id: f476a34bb1 (このIDを非表示/違反報告)
実結(プロフ) - 作者です!!ランキング71位出ました!!めちゃくちゃうれしいです、みなさんのおかげです!!また近いうちに更新します!! (2015年2月26日 10時) (レス) id: 88d69550ce (このIDを非表示/違反報告)
碧みんく(プロフ) - 実結さん» ありがとうございますッ!!! これからも頑張ってください♪ (2015年2月4日 20時) (レス) id: 4c374be14d (このIDを非表示/違反報告)
実結(プロフ) - 碧みんくさん» コメありがとうございます!そしてむちゃくちゃ嬉しいお言葉!!頑張ります!葵みんくさんも応援しています(*'▽') (2015年2月4日 20時) (レス) id: 88d69550ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実結 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/minoko2
作成日時:2014年5月5日 0時