大正浪漫に咲く恋 〈雪〉

■誰の家に泊まるか ページ6

確かに、いつまで私はここにいるんだろう


そもそもこれが夢なのかも現実なのかも分からない。



渡「でもこいつ、家ないって言ってなかった？」



深「ああ、言ってたな」



ラ「じゃあ、みんなの家に交代で泊めるとか...は？」



渡「は？無理」


即却下されたんだけど。
そこまで潔く断られたら流石の私も悲しくなるよ...笑



宮「いいんじゃない？その代わり、仕事を手伝ってもらう。その条件付きで」



深「いいな、それ」



阿「Aは、...どう？嫌だったら嫌って言ってくれたらいい」



「...私は」


多分...恐らくだけど、
昔に行きたい、現代に戻りたい
って思ったら移動が出来る仕組みなんだろう。
ということは、ずっと昔にいる訳ではない

周りからすれば倒れるんだから迷惑だろう
でも、今の仕事が辛すぎて
...正直、現実離れしたいという気持ちもある。






「...泊まらせて、下さい」



深「決まりだな」



渡「俺は許してないけど」



宮「まず誰の家に泊まる？」



ラ「今はタツの家なんだし、タツの家でいいんじゃない？」



深「そうだな、そうしよう。
A、よろしく」



「うん...よろしく。
...というか、何日で移動？1日？」



向「まあ、無難に1日？」



「わかった、短い間だけど...よろしくお願いします。」



阿「それじゃ、俺たちは帰るから」



ラ「またねー！」



渡「最悪...」



岩「...」


結局、ひかるが口を開くことは無かった。





深「あ、ごめんな。ひかるさ、人見知りだから。初めましての人に対してはいつもあんな感じ。慣れたら大丈夫なんだけど...」



「そっか...」


いつか、ひかるとも喋れるようになるといいな...。








深「早速だけど、仕事手伝ってほしい。
と言っても、何できるかな...」


私は、医療道具とかを扱う会社で働いているから
それなりに医療の知識はある方だと思っている。






深「患者さんの、会計してくれねえか？
俺の家、家族だけで支えてるからさ。
人足りなくて困ってるんだよ」



「うん、わかった」


よかった...！経済学部出ててよかった...！
今初めて経済学部卒業でよかったと思えた気がする。







部屋を出ると、少し短い廊下。
何個か部屋があって...
...本当に診療所なんだ、ここ。





タツに受付まで案内してもらい
今でいう、レジの前に立った。



というか、昔って10円も紙幣じゃない...？
お金見間違えそう...。

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