大正浪漫に咲く恋 〈雪〉

■最低な、私 ページ37

ハッとなり目を開けるとそこは見覚えのある部屋



私は、亮平の肩に身体を預けていた







阿「Aっ...うなされてたけど...大丈夫？」



「...え、ほんと？」



阿「うん、でも大丈夫そうだね」



「蓮が、いなくなるっ...」



阿「...え？」



「蓮と、話したいっ...私っ」



阿「落ち着いて」




宥めるように、ぎゅっ、と抱きしめられる







「りょ、亮平っ...」


阿「落ち着いて、大丈夫だから」




ぽん、ぽん、と背中を優しく叩かれる




少し、落ち着いてきた頃。







阿「何か、あったんでしょ」



「...うん」



阿「何があったの？ゆっくりでいいから、ね」



私は、さっきまでの出来事を全て亮平に話した






阿「そっか、蓮が...」



「もう、会えなくなる気がして...
それに多分だけど、ね...蓮、刑務所に行くんだと思う」



阿「っえ」



「昔から変わってないって...」



阿「A...」



「私、たくさん蓮を傷つけたっ...最低だよっ...」



阿「そんな事ないっ...」





再び、亮平に抱きしめられた









阿「少なくとも、蓮は...Aといて幸せだったんじゃない？」



「そんなの、分かんないよっ...」



阿「長い付き合いだからこそ、だよ
大丈夫だって、ね？」



「...っ」









ぽろぽろと涙が溢れて止まらない

しばらくの間、私は亮平の腕の中で泣き続けた...









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