大正浪漫に咲く恋 〈雪〉

□蓮のこと ページ36

今いるのは病室に置いてあるベッドの上


蓮に本当のことを聞く為、現代に戻ってきた




屋上に行っていた蓮が病室に帰ってきたから
私は早速、蓮に真相を聞こうと思う。



「ねえ...蓮」



目「ん、なに？」



「蓮ってさ...前世の記憶、あるんだよね」



目「あー、まあね。そんな明確にはないけど」



「私、全部分かっちゃったよ...」



目「全部、って？」



「本当は、蓮が全てを支配してたんでしょ？
支配...っていうか、動かしてたっていうか。」



目「何言ってんの笑 おとぎ話の世界じゃないからね」

おどけて言う蓮にイラッとした私は
思わず叫び声を上げてしまった


「とぼけないでよっ...！！！
本当は全部知ってるんでしょ！？
私が大正時代に行くようになったのは
全部、蓮がっ...！！」



目「A、静かに」



「...っ」

そうだ、ここは病室だ。
個室じゃないから他に入院している患者さんもいる


「すみませんでした...」

思わず取り乱してしまったことを他の患者さんに謝った



目「ねえ、A...その事だけど」



「...うん」



目「全部、本当だから。Aの言う通り」



「...」



目「俺は前世で"亮平"と知り合いだった
それも、結構仲良かったんだよ？
でもある日、俺が...逮捕されたんだ
...薬の事で、ね。
俺が逮捕されても、亮平は定期的に様子を見に来てくれてた...」



「やっぱり、そうじゃんっ...」



目「黙ってて、ごめん。
でも、俺は昔となんにも変わんないんだ」



「...まさかっ」



目「うん、そのまさか。
...だから、Aは幸せになって...？」



「嫌だっ、嫌だよっ...！！
ずっと一緒だって、思ってたのに...！！」



目「でも、Aは！！！
俺の事、もう好きになってくれないんだろ...？」



「それはっ...」



目「俺は、Aが大好き...今でも、その気持ちは変わんねえよ。ずっと、隣でAを見てきたから...」



「っ...」



目「だから、Aはっ...
俺がいなくても、生きていける...
仕事も、やめるんだろ？」



「え、私、やめるなんて言ってな...うあっ...」




その瞬間、ズキズキと頭が痛くなった
それと同時に何処かの景色がフラッシュバックする


目「俺は、ここにいるべきじゃないんだ...」



「そんな事ないっ...！！」


今、意識を失えばもう蓮と会えなくなる
何故か分からないけどそんな気がした




蓮「ありがとう...」

意識が遠のいていく中、聞こえたのはそう呟いた蓮の声だった

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