大正浪漫に咲く恋 〈雪〉

■見つかった ページ34

深「ラウールが、見つかった...！？」



阿「うん、着いてきてほしい」



渡「...行こう」



宮「A、嫌だったら行かなくてもいいんだよ」



「...ううん、私も行く」


とにかく、一目でもラウールを見たい。
この目でラウールの安全を確認したかった。









亮平に着いていくと、そこは刑務所だった


深「...は？なんで、こんな所に...」



阿「いいから、着いてきて」




慣れた様子で刑務所の中に入っていく亮平









ある部屋の前で、亮平は止まった



阿「...ラウール」


そう呼ぶと、ガチャっと部屋が開いた





「ラウっ...」



部屋から出てきたのは、
重苦しい雰囲気を漂わせたラウールだった




ラ「Aちゃんっ...」



「...なに？」



ラ「ごめんっ、本当に、ごめん...。ごめんなさい...」



「なんで、謝るの...？」



ラ「だって、僕は...Aちゃんを、刺しちゃったから...後先の事、何にも考えずに...」



「...ありがとう」



ラ「...えっ？」



深「A...？」



「私を、好きになってくてありがとう
言われた時は正直...そう思ってくれてるなんて知らなくて、びっくりしたけど、嬉しかった...」



ラ「Aちゃんっ...」



渡「A、優しすぎ」



「そう...？でも、これは紛れもない私の本音だし...
刺されたことについても怒ってない」






向「...これから、ラウールはどうすんの...？」



ラ「しばらくこのまま生活するつもり
いつ戻れるか、分からないけど...」



「絶対、帰ってきてね...？」



ラ「...うん」



阿「もう、大丈夫？」



「うん、ありがとう」



深「...じゃ、また来るな」



宮「顔見ないと心配するからね」



岩「またな」



ラ「...うん、また」




ラウールは部屋に戻り、
私たちは再びタツの家に帰った









.









「ふう...」



宮「よかったね」



「...うん」



深「A...ちょっと」



「ん？」




帰り道、タツに寄り道をしようと言われた
みんなには先に帰ってもらって裏道に入る









深「...俺、亮平と、会わせないって言ったよな」



「...うん」



深「でも、こないださ、亮平がAに会いたいって言ったんだよ」



「...え？」



阿「会って、話がしたいって言われて...
今日亮平が来るのは決まってた。
...ラウールが見つかるのは想定外だったけど」

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