大正浪漫に咲く恋 〈雪〉

□考えても分からない謎 ページ31

目「...そっか、覚えてないから.....めることも」



「...え？何か言った...？」



目「いや、何にも。っていうか、来るのおせえな」



「呼んだ、よね...？」



目「起きてすぐ呼んだよ。ってか、廊下騒がし...」



「佐久間くん...？」



目「は...？」



「ねえっ、今、佐久間くんいなかった...？」


ベッドは結構高めで、廊下に面している壁には窓が作られている。
そこから、佐久間くんらしき人が運ばれて行くのが見えた、気がした...




目「俺、ちょっと見てくる」


そう言って、蓮は静かに歩いて廊下に出た




見間違いでなければ...佐久間くん、だと思う









目「佐久間くん、だった...」



「なんでっ...」



目「お腹を抑えられてたから、刺されたのかも...」



「...えっ」


...私も、何故かお腹が痛い。





「ねえ、蓮...私も、お腹痛いんだけど...
お腹っていうか...脇腹...？」



目「ああ、脇腹は縫ったらしいから...
頭もぶつけてたけど脇腹からも出血してたらしい」



「...え」


ラウールに刺された場所は見ていないけど、
痛みの場所的に刺された所と同じような気がする。

...まさか、まさか...ね。









その時、ようやく医者の方が来てくれた


医「すみません、バタバタしてて...お待たせ致しました。
脈拍も安定してますし、一般病棟に移りましょう」



機械も、酸素マスクも外れた。


「...っていうか、私、ICUにいたんだ...」



目「うん、運ばれた時は大量出血してたからね
意識戻らないかも...とか言われたくらいだったから。」



「ご迷惑をおかけしました...」



目「でも、思ったより元気そうでよかった」



「お腹と頭は痛いけど、それ以外は元気だよ」








.




無事、一般病棟に移った。

他の患者さんも入院しているから、静かにしないとな...





目「俺、昼ご飯買ってくる」



「...え、今何時？」



目「14時前。もう昼ご飯終わってるし
Aの分も買ってくるよ。
ご飯は普通に食べていいらしいし」



「じゃあ、適当にパンで...」



目「ん、了解」









それより佐久間くんの事が気になる
お腹を抑えられてた...

そして私も、腹部を縫ってもらった。



「なんかひっかかるんだよなあ...」






考えても、考えても答えが出ることはなかった。

□もう、好きになれない→←□1部の記憶

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