大正浪漫に咲く恋 〈雪〉

□もう、無理だから ページ23

「そんな事ないから、離して...ご飯食べようよ、ね？」



目「無理」



「ん、ちょっと...」


耳にキスしたと思えば、蓮の舌が私の耳を舐める




「やめてっ...！！」

少し大きな声で言えば蓮の動きは止まった
その隙に私は蓮と距離を取る
そして、蓮と向き合った


「付き合ってるとかじゃないのに、
こんなことしないで」



目「じゃあ、付き合えばいいじゃん」



「...はっ？」



目「俺、ずっと前からAの事好きなんだけど」



「な、に言ってんの...」



目「冗談じゃない、本気だよ
俺は昔からAの事が好き。
なんか、俺が女遊びしてるとか思ってるみたいだけど
したことないから。ずっとAしか見てない」


蓮の目は、嘘をついているようには見えない


「私、は...」



目「知ってるよ、俺の事を好きじゃない事くらい」



「違う！！違う...私、は蓮の事が好き"だった"...」



目「...いつ？」



「中学生の時...、蓮に彼女ができた時に好きだって気づいたの。でも、蓮には相手がいるから...って、諦めた。もう、その時に私は諦めたの...！」



目「また、好きになってよ」



「無理...だよ、だって私...」


昔にいるショウや、タツ、他のみんなに惹かれてる...
惹かれてる、というか惹かれ始めてる
叶うはずないのに、私が生きる場所ではないのに。




目「わかった。さっきは、ごめん
今は無理でも、俺は答えが出るまで諦めないから」



「...ごめんね」



目「謝んなって。俺が勝手に好きになってるだけだから」


少し、傷ついた表情をする蓮
その表情にさせたのは紛れもなく私...


私は、どうしたいんだろう...。









.









「ご飯...どうする？」



目「いらね」



「そっか、じゃあ私、帰るね」



1日くらいそのままだから、着替えたい。
シャワーも浴びたいし...
何より、この空気で1日耐えれる気がしない




目「なんで帰んの？今日はゆっくり過ごそうって言ったけど」



「服着替えたいし、シャワー浴びたいし、お腹空いたから...」



目「俺の服もシャワーも使えばいいし、俺ん家の冷蔵庫開けて食べればいいじゃん」



「申し訳ないよ...」



目「俺的には、そのまま帰られる方が嫌なんだけど
俺の気持ち知って気まずいから帰んの？それは身勝手じゃない？」



「...」



目「Aって昔からそうだよな
なんにも変わんねえじゃん。逃げてばっかり」



「...っ」



目「なんで俺はAのこと好きになったんだろうな」

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