大正浪漫に咲く恋 〈雪〉

■優越感？ ページ16

阿「隣にいてよ」



「...はっ？」



阿「だーかーら、隣にいてって言ってんの」



「私が隣にいたら邪魔になるんじゃ...？」



阿「最初はそう思ったけど端にいられる方が気が散る」



「わ、わかった...」









.









物静かな研究室に、亮平の作業する音だけが響く




阿「...」



「...」


作業に集中しているその真剣な顔に心が引かれる

って、何見とれてるの私...






...ショウもだけど亮平も何か抱えてそうな感じがする


というより、幼馴染7人って...家が近所なのかな
学校一緒だったとか...？

そんな事を頭で考えていると




阿「何考えてんの。笑」


ふはっ笑 と亮平がこちらを見て笑った




「え、笑った...？今、笑ったよね？」



阿「Aが百面相してたのが面白くて...笑」



「今まで笑ったこと無かったよね？
え、レアじゃん...」



阿「れあ？」



「あ、何にもない...です」






阿「そういやさ、Aに聞きたいことがあるんだけど」

研究する手を止めて、こちらを向いた



「なに？」



阿「ここら辺では見ない顔だよね。どこから来たの？」


おお、痛いところついてきたな
じゃなくて。
どこから...か。100年後の世界です。

...こんなこと言っても絶対信じてくれないじゃん
100年後の世界とか...おとぎ話かよって感じだし。



阿「おーい？大丈夫？」



「あ、うん大丈夫...」



阿「家ないって言ってたから...家出でもしてきた？」



「んー...」


本当のこと、言った方がいいのかな




阿「あ、ひとつ言っておくと俺非科学的なのは信じてないからね」


じゃあ無理じゃん。
言っても絶対通用しない...



阿「あれ、もしかして非科学的な感じ？」



「まあ、その感じ」



阿「ま、いいや。教えてよ
まだ誰にも言ってないんでしょ？」



「...100年後の未来から来た」



阿「...へー」



「反応うっす...」



阿「それ、本当？」



「本当だよ、嘘ついてない。
というか、びっくりしないの...？
私普通じゃないでしょ？」



阿「Aの目は嘘ついてるように見えないから、信じる」



「...え」



阿「なに？それとも本当に嘘ついたの？」



「いやっ、嘘じゃないから...！！」





阿「なんか、優越感あるな」



「...なんで？」



阿「俺だけが秘密握ってるんでしょ」



「...まあ。」

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