繰り返し一粒 2 ページ4
翌朝、リビングに行くとセトとマリーちゃんが二人で楽しそうに話をしていた。
ズキンと胸が鈍く痛んだ。
私は、二人から離れたソファーに座る。
結局、セトには代わりはいくらでもいたんだ。
私なんかじゃなくても良かったんだ。
もう、あの頃のように笑いあうことはできない。
遠ざけたい。
心の奥に植えつけられた枯れない毒の花。
摘んでも摘んでも限りはない。
どんどんと毒が心に染み渡っていく。
どうして
嘘であってほしかった真実は、願ってもいないのに鳴き出した。
ずっと転がされてきた姿は本当の私なの?
不意に、涙が一粒頬をつたった。
私は結局、消耗品だったのだ。
使い捨ての消耗品。
両手を強く、握りしめる。
…それなのに
あんなに踊らされて馬鹿みたいだ。
愛してる、と伝えたのは
私を都合よく動かすための、飼い慣らすための、餌だったの?
私は、セトにとって
自分の思い通りに動く、操り人形だったの?
散々遊んで、使ったあとは
おもちゃ箱に詰められたまま、捨てることすらも忘れてしまうの?
セトにとって私は、そんな軽い存在だったんだね
便利な、ただの道具だったんだね
私のことなんて忘れて、マリーちゃんと笑いあってる。
マリーちゃんを愛してる、と抱きしめている。
どんなに後悔して
あの頃に戻りたいと泣きわめいたところで
もう戻ることなんて、できない。
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クロハlove - セトさん!!僕は人形じゃないですよ~?更新頑張って下さい!!!!!! (2015年6月26日 19時) (レス) id: ed16088f2d (このIDを非表示/違反報告)
ミント(プロフ) - sky☆さん» ありがとうございます!がんばります(o^−^o) (2015年6月15日 23時) (レス) id: b8a65003e6 (このIDを非表示/違反報告)
sky☆(プロフ) - カノがとてもかっこよかったです!これからも更新、頑張って下さい♪ (2015年6月15日 23時) (レス) id: 9f11fcf1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミント | 作成日時:2015年6月15日 23時