ねがいごと (ページ2)

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かなうならページ2

「ねぇ。ぱぱA、次ぱぱが来た時はコンビニのゼリーじゃなくてケーキ屋さんの可愛いゼリーが食べたいな。Ａ組の皆でさ。」

先に来ていた生徒達を帰し、自分もそろそろ帰ろうと別れを告げた時に病気が見つかる前と変わらないいつもの笑顔でこう言う娘、A

「わかった。わかった。買ってくるよ。」

「うんうん。よろしくね？」

「あぁ…じゃあな。また来る」

「ばいばい。」

ベッドの上で小さく手を振るAを一撫でし病室を後にする

しかしすぐには帰らず暫く扉の前で立ち、Aの声を抑えて泣く声を聞いては胸を痛め帰ると言うのを何度繰り返したか

そしてその全ての始まりは何だったか

あぁそうだ。始まりは健康診断だっただろうか

そこで白血球の数に異常が見つかったことからだったろうか

それから間もなくAは入院

最初は小さい子供みたいに病院怖いお化けがどうとか騒いで大変だった事を昨日の様に覚えている

だがもう、高校1年のクリスマス頃に見つかってもう気が付けば季節は巡って春

本来ならAも他のクラスメートと同じ様に今頃進級していた頃だろう

それでもそれは叶わずAは今日も管の繋がった腕で、薬の副作用で抜け落ちた髪の散らばるベッドの上で、自分がかつて通っていた俺達が日中過ごす雄英の見えるこの部屋で何を思っているのだろうか。

神頼みなんてらしく無いがかなうならどうかAのあの頃の姿をもう一度俺に見せてください