06 T.M side ページ6
、
『行きつけ』とまでは言えない
何度か足を運んだ事のある
落ち着いた雰囲気のバーで
釈然としない気持ちを放り投げるようにして
1人で飲んでいた
ウイスキーの入ったロックグラスを傾けながら
このまま人にあげても良さそうなほど
綺麗に丁寧に包まれていたさっき買ったばかりのブレスレットを撫でた
ブレスレットは俺があまり付けないような作りの
小ぶりのもので
どちらかとゆうと女性物だ
別に、女性物だとか男性物だとか
気にはしてない方ではあるけど
どことなくあの店で
このブレスレットを買ってしまった事が
悔やまれた
何の気を利かせたのか知らないが
自宅用の梱包の仕方ではなかったから
きっと、彼女は何か勘違いをしたんだ
まぁ、、今となってはそれも
もうどうでもいい事だけど
そうやって何度目かの溜め息をついた時
入口の扉が控えめに開いた
「いらっしゃいませ」
マスターの艶やかな声が静かに響いて
チラリとその来店者を盗み見た
「ぁっ、、こんにちわっ」
目が合った瞬間、お互いに驚き目を見開いて
彼女が辛うじて挨拶の言葉を放った
「こんにちわ、、さっきは、どうも、、」
カウンターの端に座る俺と２つ席を空けた先の
椅子に腰掛けた彼女、Aさんは
俺を見てふふっと楽しそうに笑った
「増田さんも、ここ、いらっしゃるんですね」
「いやっ、、たまにですけど、、」
1日に2度も会えるなんて聞いてない
さっきまで沈んでいた心がにわかに騒ぎ出す
会えて嬉しいような
気不味いような
「あっ！それ、、あれ？彼女さんへのプレゼントじゃないんですか？」
Aさんは俺の手元にある
さっきのブレスレットを指して言った
あぁ、、やっぱり
勘違いしてる
彼女なんていない
俺が好きなのはキミだよ
なんて、そんな言葉がスルリと口から出て行けば良いのに
そんなの俺には出来なくて
シゲと2人で幸せそうに手を繋ぐ光景が
脳裏にチラつく
俺だけ独り身なんて寂しすぎる
誰に張り合っているのか
よくわからないけど
「まぁ、、」
そうやって、酷く曖昧で不器用な答えを返した
「やっぱり、、彼女さんいるんですね」
「へ？」
静かに言ったAさんは
悪戯っぽい笑みを浮かべている
「いるのかどうか、カマかけちゃいました」
ん？、、それってどおゆう、、
「そこ、そんなに気にします？」
あまり深く考えないように
クスッと鼻で笑いながら
グラスに口を付けた
、
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めい(プロフ) - カレンさん» 更新遅くてすみません、、応援ありがとうございます(^^) (2018年11月29日 7時) (
レス) id: 0660b4dc66 (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - 応援してます！ (2018年11月28日 11時) (レス) id: c181c25be4 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 祐雨貴さん» わーっ！ありがとうございますっ！！頑張りますので、どうぞよろしくお願いします(^^)！！ (2018年11月28日 9時) (レス) id: 0660b4dc66 (このIDを非表示/違反報告)
祐雨貴(プロフ) - めいさんの作品、大好きです！新作が出るとわくわくします(笑)これからも頑張ってください(´` (2018年11月25日 12時) (レス) id: 7b949b540b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2018年11月25日 10時
