29 ページ30
T.M side
Aちゃんを自宅に送って帰ってきた俺は
定位置に鍵を乱暴に置いて
思い切りため息をはいた
何やってんだか
気持ちをきちんと伝えろと言って
シゲのとこに届けて
2人をくっつけるような事をして
でも、Aちゃんがシゲのことが好きなら
それは俺の出る幕ではない
昨日、付き合ってる人はいないと知って
目の前で楽しそうにしてくれる彼女に脈アリなんじゃねーかと思ってしまったばかりに
この失恋の衝撃がすごい
俺に興味ねーならあんな嬉しそうに微笑んだり、意味深に触れてきたりしないでほしかった
普通に勘違いしちゃったじゃん
けっこうもう両想いなんじゃね?くらいに思ってたよ?
あー怖い
女って怖い
浮き足立ってた数時間前までの自分が懐かしい
バカみたいな幸せな脳内してたなー
今頃、奴らは想いを伝えあってよろしくやってんだろーか
あーあやだやだ
明日シゲに会うのやだな
幸せそうな顔してたらぶん殴りたい
やっぱ俺の恋人は仕事かもしれない
そうやって今日打ち合わせをした資料を取り出した
S.K side
Aが出て行って
心底後悔した
俺はなにをやってんだって
あんな怯えた顔をさせてしまって泣かせて
本当に馬鹿だ
Aを泣かせるのはごめんだって、思ってたはずなのに
それから何度電話をかけてもメールを打っても反応されず
途方に暮れてた時
Aは泣き腫らした目をして帰ってきた
Aが何か言葉を発するよりも先に
土下座をする勢いで謝って
俺の目からも涙が溢れた
そんな俺にAは優しく背中をさすり
「大丈夫、怒ってないよ」って言ってくれた
でも、してしまったことは変えられない
だからきちんと向き合おうと決めた
「A。俺、Aの事が好きなんだ。」
真っ直ぐ見据えた彼女は、俺の告白に思いの外落ち着いて聞いていた
「うん。ありがとう、すっごく嬉しい…でも」
その続きは知っている
心臓が悲しい音を立て、全身がちくちく痛い
聞くのが嫌だ
でも、聞かないと俺も前に進めない
「気持ちには答えられない」
わかってるよ
ちゃんと言葉にしてくれてありがとう
そう言いたいのに
喉がひりついて声が出なくて
代わりに涙がとめどなく出てくる
Aはただ泣いている俺を抱きしめた
これからも、お前の幼馴染でいていいか?
変わらずそばにいていいか?
その言葉も涙に消えていく
そんなのは俺が言っちゃダメな言葉だ
俺はAに抱きしめられ泣き続けた
、
144人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めい(プロフ) - カレンさん» 更新遅くてすみません、、応援ありがとうございます(^^) (2018年11月29日 7時) (レス) id: 0660b4dc66 (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - 応援してます! (2018年11月28日 11時) (レス) id: c181c25be4 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 祐雨貴さん» わーっ!ありがとうございますっ!!頑張りますので、どうぞよろしくお願いします(^^)!! (2018年11月28日 9時) (レス) id: 0660b4dc66 (このIDを非表示/違反報告)
祐雨貴(プロフ) - めいさんの作品、大好きです!新作が出るとわくわくします(笑)これからも頑張ってください(´` (2018年11月25日 12時) (レス) id: 7b949b540b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めい | 作成日時:2018年11月25日 10時