空はどこまでも青くて

第33話 ページ33

T.M side




俺は、忌々しいベットに座らされている

目の前には

荒い息をした男がこちらにカメラを向けていて




次はこっちを向いてとか

手を見せてとか


高そうなカメラをかがげて意気揚々としている



写真を撮られるのは嫌いだ

でも慣れている


胡座をかいて左肘を膝に乗せて頬杖をついていると

興奮気味な奴の上ずった声に紛れて

俺の携帯の音が聞こえた




チラリとそいつを見るけど

夢中で気づいていない



俺がそっちを見たからか

更に興奮していくのが分かる





仕方なく、無視をする、

、、誰だろう？







だけど、それからも電話は止むことはなくて

意を決してポケットに手を突っ込んで

携帯を出してみせた





画面に表示される

手越祐也の文字




それを見たそいつは

「はぁー、なんでこんないい時に電話、、空気読めないのは電話でもか！」

軽くバカにされてカチンと来る




「ずっと鳴ってんの、出てもい？」


あからさまにイライラしながら

「3分だけね！ここで話して！」


ヒステリックにそう言われる







そんなんなら、出ない方が良かったかも
と出ることにした事を後悔しながら

通話のボタンを押した


「、、もしもし、手越？」

ーーあっ！まっすー？

軽快に聞こえてきた相方の声



さりげなく、ボリュームを下げる









「あっうん、どした？」

ーーあの、今日は予定あるって言ってたけど明日はどーかなーって思って！
なんかある？





あっそんなんでわざわざ？
ほかっとした気持ちになる

でも、ダメだ行けない

きっと許してくれない

後が怖い




「あー、ごめん、明日も無理そう、、」

ーーそっ、、かぁ、無理言ってごめんね！

「いやこっちこそ、誘ってくれたのに」


でもありがとうって言おうとしたら、
奴に肩を叩かれて、目の前にストップウォッチを出される


2分12秒


やばい、、早く切らないとっ


「うん、ありがと誘ってくれて、それじゃあ、、」

ーーあっねぇ！まっすー！

「えっ？なに？」

焦る

ーー俺、まっすー大好きだよ！


息が詰まる


「俺もっ」

大好き、と言いかけて携帯を取られ
切られてしまった


唖然とそいつを見つめる


「ざーんねん！3分経っちゃった！」

ストップウォッチをかがげる




「今日、行ってもいいよ？」


「え？」


「怪しまれんの嫌だし！」

呆然とする

「でも、ただ、話したら、わかってるよね？」



そう言って顔を近づけて

頬を舐められた









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