ロケやで！ ページ3
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「あかん、かっこいい」
「A、あれは今日に限ってはカボチャや」
「かっこええカボチャやなあ…」
「あかん、終わったかもしれん」
今はロケバスの中で、萌と私とスタッフさんの3人での打ち合わせ前。男装も完了しスタッフさんがまだ来てないのを良いことに、別のスタッフさんと打ち合わせしてる正門さんと福本さん、健くんをボーッと見つめる。
「もー…カメラの前でそんなニヤニヤされたら終わりやから、ニヤニヤ出来る時しときや」
「分かった」
「…やっぱりあかん、その格好でニヤニヤされてたらこっちが新しい扉開いてまうから辞めて」
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洋服と雑貨のお店を回り終えた後、ある飲食店の準備が間に合っていないということで少し長めの休憩時間が出来た。
「Aさん強いなあ」
「このまま逃げ切れるんちゃいます？」
「飲食なんて1番好き勝手やられそうなんで、まだ油断は出来ないですね…」
雑貨で自腹を切った福本さんと私と同じくまだお金を出していない正門さんに話し掛けられたのは、スタッフさんから頂いたお茶で一息ついた直後だった。
「あ、そういえばこじけんどこ？」
「どっかの服屋さんちゃう？自腹やったからロケ中全然回れんかったんやと思う」
福本さんが健くんを探しに行ったのを見送った後の正門さんとの会話の内容は、まあ想定内な訳で。
「Aちゃんがさっき買ってもらってたTシャツ、俺のサイズもあるかなーとか言うて店入ってったで」
「え、小島くんってペアルックしたい派の人なんですか？」
「どうなんやろなあ」
「かわいそうやけど、あのTシャツ私が買ったのがラスイチでしたよ」
「やってんなあ」とでも言いたそうな顔をして、正門さんはもうひとくちお茶を飲みながら相槌を打ってくれた。
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続く
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作者名：もやし | 作成日時：2022年9月29日 22時
