闇の印を ページ17
、
「よく集まってくれた―――――」
いつもの会合。闇の印を刻まれてから、ヴォルデモートが現れる直前に、痛みはないが、印が熱くなるようになった。
「今晩……ハリー・ポッターに動きがあるとの情報が入った。」
私はその言葉に顔を上げた。ハリーがついに動く――。
しかし、その情報を握っているこちら側の陣営も恐ろしい……。
「そこで諸君には、ハリーを捕らえるために、奴を追ってもらおう。」
私はその言葉に少し期待した。ハリーに会えるかもしれない――――と。しかし、ヴォルデモートがそう簡単に私を彼らの元へ行かせるはずもなかった。
他のデスイーターたちをヴォルデモートが指名していく中、私の名は呼ばれなかった。彼も馬鹿ではない。むしろ賢い方だ。ハリーのもとへと容易に連れて行くわけがなかった……。
どの道彼に会えても、私は彼の陣営にはつけない。友人全員の命が狙われている以上、今は安全を第一に考えなければならない。下手したら、私も殺される。
ヴォルデモートは私を使ってハリーをおびき寄せるつもりかもしれない。あるいは、私を闇の陣営に完全に引き込むつもりかもしれない。けれど私は、彼側に完璧につくつもりはない。今は従っているが、いずれはきっと……。
「それと……A、今日は確かお前の――」
ヴォルデモートは私の方へと視線を向ける。私は黙ったまま彼の方を向いた。
「生誕日だったな。」
彼が私の生まれた日を知っていることにどうも不快感を感じたが、私は黙って頷いた。頷かないといけない。彼の前では、彼の発言を肯定する以外選択肢はない。
「お前のような素晴らしい魔法使いが―――この世に生まれた事を祝おう。」
ヴォルデモートはそう言って笑った。私は何も言わずに、何も言えずに黙り込んだ。
彼の方へ今にも身を乗り出しそうなベラトリックスが、私を睨みつけるように見つめていた。彼女はヴォルデモートにとても忠実な存在だから、きっと、私が憎いのだろう。
しかし私にとっては、ヴォルデモートが、彼女が、デスイーターが憎かった。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Grim reaper(プロフ) - 主人公、凄い独りよがり (8月11日 13時) (
レス) @page40 id: 1ede7a2e08 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - 奈也さん» わ、わ、それはよかったです…！！こちらこそそう言っていただけてとても嬉しいです…！ありがとうございます！！そうですね…仲良くさせたいです。ありがとうございます！これからも応援よろしくお願いします〜！ (2019年8月27日 23時) (レス) id: 5530baedc0 (このIDを非表示/違反報告)
奈也(プロフ) - マルフォイオチがいいなと思ってたので嬉しいです！夢主ちゃんとマルフォイ仲良くなって欲しいですね！（笑）更新楽しみに待ってます！！ (2019年8月27日 23時) (レス) id: ca98b688b7 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - ユウさん» わ、わ、わ、本当ですか…！すごく嬉しいです…！！ありがとうございます…！オチアンケートを取ったとき結構ハリーオチが良かったって声も多かったのでちょっと不安だったのですが、そう言っていただけると嬉しいです…！(；；)これからも応援よろしくお願いします！ (2019年8月27日 15時) (レス) id: 5530baedc0 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 長々ごめんなさい、本当に更新楽しみにしてます！！頑張ってください！！！ (2019年8月27日 14時) (レス) id: fba426c2fd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：み | 作成日時：2019年8月16日 14時
