1歩ずつ (ページ34)

今日:1 hit、昨日:15 hit、合計:36,627 hit

34 ページ34

―――以前に倒れた時に頭を打たれた時の影響もあってか脳震盪を起こされていました。

その瞬間にきっと安田さんはご自身でナースコールを押されたようで、、、

幸い命に別状はありませんがまだ予断はできない状況にいます。

――――――

色々な資料を見せながら俺にでもわかるように話してくれる松下さん。

やけどすごい険しい顔をして

「抗がん剤をもっと強めた方がいいと思います」

「それって…」

「今まで以上にしんどいものになるかと思います」

今でもしんどそうやのにもっとつらい思せなあかんの？

「安田さんの場合、今の抗がん剤ではほぼ効果は出てないです。」

こんなに頑張ってんのに効果出てないってなんやねん。

「このきついのもしても効果がでーへんってこともありえるんですよね？」

きつい言い方をついしてしまう。

そんな自分に余計腹が立つ

「可能性としてはあると思います。ですがまだ治るという可能性もない訳では無いので…」

松下さんも悔しそうに唇を噛む

悔しいのは松下さんも一緒やねん

「わかりました。少しメンバーと話し合ってもいいですか？」

「もちろんです。またお話の結果を聞かせてください」

ペコッとお辞儀をして部屋を出る

そのまま帰ろうかと思ったけど章ちゃんの様子を見に行く

章ちゃんまだ寝とうかな

でも今は寝といてほしいなんて思ってまう

ただそれは自分が現実から逃げてるだけ

1番逃げたいのは章ちゃんやのに

「章ちゃん入るで～」

ゆっくりドアを開けたけど章ちゃんは寝息を立てて寝とった

「ごめんな。章ちゃん」

なんで章ちゃんなん。って最近ずっと思ってる

なんで俺じゃないんやろって
そんなん言うたら章ちゃんは怒るやろうけど

Jr時代からずっと一緒やった俺ら。

ジャニーズを辞めようとした時も止めてくれた章ちゃん

唯一怒ってくれる章ちゃん。

章ちゃんの存在が大きすぎて今どうしたらええんかわからん。

だからこそ最近仕事も手につかんくなってまう

それで迷惑かけてんのは分かってるのに…

きっと今の状況を章ちゃん知ったらどれだけ悲しい思いするのかも知ってんのに

なあ、章ちゃん。俺、どうしたらいい？