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30安田side ページ30

「では抗がん剤打ちますね」

病院に来て早々抗がん剤治療…

来てすぐかい!って思ったけどそれほど俺にあとがないってことなんやろな

打ってからはすぐ動かないでくださいって言われたからひたすらベッドで天井を眺める

何故かこの部屋だけはギターを引けるらしい





横ちょが頭を下げて行けるようになったって言うのはもう少し後で知ることになるんやけど…


「安田さん気分はどうですか?」

抗がん剤を打ってから2時間後に看護師さんが来た

「あーちょっと頭がボーッとしてますかね」

「そうですか。ご飯無理そうでしたら点滴打ちますんで言ってくださいね」


「ありがとうございます」


病院の先生はみんな優しいな

机に置かれた病院食を口にするけど味がない。
お世辞でも美味しいって言えへんかった

しばらくして…


「うぅ。」

突然襲う吐き気

急いで横にあった袋に手をのばして吐いた。

最近しょっちゅう吐くことがあってすごい体力使う。


ご飯無理やし点滴打ってもらお


ベッドの横にあるナースコールを押す


「やっぱり無理そうですか?」



「はい、すいません。」



「大丈夫ですよ、少し歩いてもらうことになるんですが点滴打ちに行きましょうか」





俺の病気は少し変わってるから点滴打ったら一人にはできひんらしい。





もしかしたらまた吐き気などが襲うかもしれんからって。




だから自分の病室では点滴が打てない。
見舞いに来てたら別らしいんやけど…
さすがに毎日ってそんな迷惑かけられへん。


言われたとおりに部屋に向かい点滴打ってしばらくその部屋で過ごす。


「安田さん、もう部屋に戻って大丈夫ですよ」


点滴打った後もぼーっとしてて歩くことすらめんどくさかった

病室を開けると丸がおって…

「どこいってたーん」

なんて言うから

「先生とお話してた」

なんて嘘ついた


もし今の状況知ったらせっかく来てくれたのに心配かけてまうかもしれん。

しばらく2.3時間話しをしたうたに丸が帰った

実はその時に副作用が襲ってきてて。

こらえるのに必死で病室出た瞬間に吐いてもうた


聞こえてなかったらいいけど…



はぁ、しんどい



俺はゆっくり目を閉じた

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作者名:minmi | 作成日時:2018年3月12日 0時

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