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序章 【招かれざる客】 ページ9
「竜人族……初めて見た……」
「それは私もよ。
……さてと」
夢乃が急に黙ったと思えば、目を閉じて息を整える。夢乃の周りを風が舞うように渦巻き、彼女の傷を癒す。治療が完了したかと思えば、目を開けた夢乃の瞳は赤く光っていた。
「珍しい。一日一回の能力を使ってまで傷を治すなんて」
「当たり前じゃない。招待されたからには、主催者をタコ殴りにするくらいのお土産は用意しなきゃいけないでしょ？それなのに手負いの状態じゃ話にならないじゃないの」
「タコ……なんだって？」
「あんたは待ってなさい。夢の珠を取られた以上、花坂一族として見過ごせない。家族が守ってきたものをみすみす奪われてたまるもんですか」
「ちょ、待って、俺も──！」
俺もついて行くと言う前に、夢乃は屋敷の裏手にある迷いの森林にへと走っていった。慌てて俺も腹の痛みを我慢しながら、夢乃の後を追いかけるように走って行くことにした。
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作者名：ミンミンゼミ31039 | 作成日時：2018年12月8日 22時
