その間、少女はとても笑顔であった ページ3
さて。再び状況を説明しよう。
スクスク健康に、そしてちょっぴり大人しめに育った私は先日、転勤した親に連れられ帝丹小学校へと転校した。その初日である。
私はとても焦っていた。表情には出ていないが。
なんと、少年探偵団を自称するものたちが同じクラスだったのだ。中身が大人の2人も揃ってである。
神永Aは命をかけることにした。そう、関わらないことにである。
そんな覚悟を決めた直後、好奇心旺盛でワンパクでうるさくてやかましくて穏やかでない小学一年生に質問攻めにされている最中の出来事だ。
「ちょっとメガネ貸して〜!」
今の私には、彼らの判別は少年探偵団であるか、そうでないかの2択である。たった今、私の許可も得ずかけていたメガネをかっさらったのは後者だ。
おわー目が痛い!俺も!私も貸して!と大層楽しそうな少年探偵団ではない彼らに、そう、至極端的に言おうではないか。
私はキレていた。
既にお察しの方もいると思うが、私は子供が好きでは無い。ここでいう好きでは無い、は憎いとか殺意があるとか、そういう意味では無い。私にとって子供とは、思考が読めなすぎる、言わば人間とは別の生物なのだ。コミュニケーションが取れない存在に好んで絡みたいとは、少なくとも私は思わない前世、そして今世を過ごしていた。
ここで怒鳴り散らかしても何も解決しないことを私は知っている。彼らはその怒りすら理解できない生命体である。ここは冷静に対処するべきである。そう、冷静に、冷静にである。
「だめですよ!人のメガネを勝手にとっちゃ!」
引き金が引かれた瞬間である。
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作者名:ユウ | 作成日時:2023年4月20日 23時