恋愛対象 (ページ2)

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「ねぇ、大丈夫？」

片方の口角だけを上げてクスッと笑った彼

「っ、、、、、」

下アングルでもこんなに顔が良いなんて……

心臓が変に跳ね上がる

男に関してはイージーモードで生きてきた自分にとってこれはきっと刺激が強すぎたのだろう

急にポタリ、と一滴何かが垂れた

するとキムミンギュ、

「ブフッ、おま、鼻血でてんぞ」

笑いながらちょ、鼻血鼻血！なんて言ってる

えっ…と袖で鼻を拭ってみると

「っ、え鼻血……」

本当に鼻血が出てきてる

……めっちゃ恥ずかしい

「ハンカチは？ティッシュは？持ってんの？」

「え、、あ、、、、」

「あーもうほら」

両手で鼻を抑えたから手が血だらけでどうしようもなくなっている私

を、見かねて自分がもっていたハンカチを私に差し出す彼

「でも、、ハンカチ汚れるから」

流石にコイツのハンカチ借りたら後ろの女どもに何されるか分からない。

水道で洗ってくると伝えようとすると

「めんどくせー、これ使っとけよ大人しく」

「ぇあ、、ありがとう…」

キュンってしちゃだめなんだろうけど、キュンってしちゃったじゃん、！

くそ！！(ただの妬み)

＊

しばらくして鼻血が止まると

「はいこれ、飲める？」

「、、、トマトジュース」

多分そこの自販機で買ってきたと思われるジュースをくれた

しかもチョイストマトなのがウケる

「なんでトマト、、笑」

「いや鼻血結構出てたからトマトがいいかなって」

またしてもふはっと笑った

その不意な笑顔にドキッとする自分がなんとも惨めだ

「、ありがとう、あハンカチは洗ってかえ…」

「ああいいよハンカチ、あげる」

ほんと、女心分かってんなキムミンギュ。
名前も知らないただの1女にここまでするなんて

「っでもせめて何かお礼しないと…」

「ははは、マジで？お礼してくれんの？なんでも？」

「……え？っと、うん」

「じゃー俺の相手してよ」

「〇〇ちゃん」

ニコッと微笑み八重歯がギラリと光る

その時、ちょうどチャイムがなった。

「あーーー残念、また今度ね？〇〇ちゃん」

そうして彼は

「匿ってくれてありがと」

そう言って美術室を出て行った