6話 ページ6
今、なんと言った？
緑谷は困惑した。
緑谷だけじゃなく、周りも動揺が隠せないらしい。
「と、いうのはものの例えなんだけど…」
怜は相変わらずニコニコとしながら、手に持った呪物の札をペリペリと剥がす。
「死に間際じゃないとさ、君たちは見えないから」
怜が呪物の札を完全に剥がした。
ヒラヒラと札が宙を舞う。
パサリ、と地に落ちた音が合図かのように、なんとも言えぬ空気が当たりを包んだ。
冷や汗が背中を伝った。
息を整えようと目を閉じた緑谷の耳には「アソボ…」と言う子供の声がハッキリと聞こえた。
ハッとし目を開けると目の前には形容し難い異形の怪物。
「緑谷！！」
皆にも見えてるらしく、焦った様子でこちらへ駆けてくる。
しかし、見渡してみれば数体ズルズルと体を引きずって動く異形が確認できた。
(なんとか、なんとかしないと…)
今、体全体で感じるのは死。
油断すれば、食われる。
「ア、ｿボ…？」
呪霊の手が緑谷の顔に伸びてきた。
動けず、固まっている緑谷は格好の獲物だろう。
浅い息が口から漏れる。
もう、ダメだ。
そう思った瞬間に体育着の襟を引かれた。
「怜、こりゃ集まりすぎじゃね？」
次に呪霊に目を向けた時にはもう、そこにいなかった。
いたのは、呪霊の物だと思われる血を短刀につけ、何食わぬ顔で立っている要だった。
「うーん…想像以上だったなぁ…」
緑谷の襟を引いていたのは怜だった。
こちらも、澄ました顔で立っている。
「もう、いいか…」
怜は生徒達の顔を一度見回すと、両手を打った。
パンッという音と共に、周りにいた呪霊達は弾け飛ぶ。
「これが、呪霊。そして、呪術師ね」
ニコリと笑った怜に生徒達は安心したが、同時に言い知れぬ恐怖も覚えた。
(これが、呪術師…)
緑谷も不安そうな顔をしつつ、後ろにいる怜を見上げた。
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枝豆(プロフ) - てんぎつね。さん» 何それ、面白いですね笑笑好きです笑 (2021年8月17日 0時) (
レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - 私、四話で『い〜い 質問ですねぇ』って言っちゃいそう。 (2021年8月16日 23時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
枝豆(プロフ) - 中学生なルイさん» あぁぁ…嬉しいです！ありがとうございます！！ (2021年6月1日 0時) (レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
中学生なルイ - おおっまじか…めっちゃ好きです笑体調等に気をつけて更新頑張って下さいね! (2021年5月31日 23時) (レス) id: 1ec5234607 (このIDを非表示/違反報告)
枝豆(プロフ) - プスメラウィッチさん» なるほど…。現段階で、五条オチです、とまでは断言できませんが、意識しながらお話を書けたらいいなと思います。その内オチアンケートを取ろうかと考えていますので、多少の変動はあるかと思いますが…^^; (2021年5月16日 22時) (レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：枝豆 | 作成日時：2021年5月16日 19時
