43話 ページ44
鉾を振り上げる男の腕を掴む。
呪具には呪具で対応したいが、生憎怜は呪具使いではないし、男が落とした刀やらも鳥居付近に落ちていて、ここからでは遠すぎる。
それに、いくつかは悟の「蒼」によって無くなっていた。
男が怜の眉間を目掛けてナイフの刃先を向けたが、それよりも先に男の顔を蹴り上げる。
しかし、すぐに立て直した男は腕を掴んでいた怜を投げると、悟の元へと向かう。
「ダメだってば」
近くに飛んでいた蝿頭を男へ投げつける。
男はそれを片腕で受け止めると、鉾で突き刺した。
ギロリと怜を睨む。
何がなんでも悟に手出しはさせない。
絶対に死なせない。
男に走り寄りその体を蹴り飛ばす。
そろそろ、足が壊れそうだ。
そう思うほどにあの男は硬い。
はぁ、と息が漏れた。
しかし、休む暇も与えてくれないらしく、男は怜の頭を掴み中に放り投げた。
大勢を整える間もなく足に鉾が突き刺さる。
痛みが全身を駆け抜けた。
男は素早く二、三度それを繰り返す。
「よし、しばらくそのまま動くな。めんどくせぇ」
受け身も取れずに地面に頭から落ちた怜は熱のこもった足を抑えていた。
頭を打ちつけた衝撃で目の前が揺れる。
大丈夫、と自分の体に鞭を打った。
確か、前にもこんな事があった。
あぁ、そうだ。呪霊に足をもがれそうになったことがある。
それに比べればなんて事ない。
フラリと立ち上がる。
「……なんで、そこまでするんだ」
「なんでって…私が、先輩だからだよ」
そうかっこつけてみたものの、目の前が霞む。
立っているだけで息をするのも辛い。
頭を打った時に脳震盪になったのかもしれない。
男は怜の言葉に目を細めるとゆっくりと怜に近づく。
次の瞬間、右肩に鋭い痛みが走った。
一瞬脳が覚醒した気がしたがすぐに目の前が歪む。
すぐに鉾は引き抜かれたが、それでも十分なくらいに傷は深い。
むしろ、抑えるものがなくなったため出血が酷い。
地面に倒れ込むと男は怜を蹴り飛ばした。
鈍い音とともに木にぶつかる。
カハッと息を吐き出す。それと同時に血も吐き出した。
男は怜をチラリと見た後悟の方へ歩き出した。
あぁ、まずい。動かないと。
そう思うのに体が動かない。
悟に目を向け怜は男の背後に忍び寄る影を捉えた。
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枝豆(プロフ) - てんぎつね。さん» 何それ、面白いですね笑笑好きです笑 (2021年8月17日 0時) (
レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - 私、四話で『い〜い 質問ですねぇ』って言っちゃいそう。 (2021年8月16日 23時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
枝豆(プロフ) - 中学生なルイさん» あぁぁ…嬉しいです！ありがとうございます！！ (2021年6月1日 0時) (レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
中学生なルイ - おおっまじか…めっちゃ好きです笑体調等に気をつけて更新頑張って下さいね! (2021年5月31日 23時) (レス) id: 1ec5234607 (このIDを非表示/違反報告)
枝豆(プロフ) - プスメラウィッチさん» なるほど…。現段階で、五条オチです、とまでは断言できませんが、意識しながらお話を書けたらいいなと思います。その内オチアンケートを取ろうかと考えていますので、多少の変動はあるかと思いますが…^^; (2021年5月16日 22時) (レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：枝豆 | 作成日時：2021年5月16日 19時
