38話 ページ39
場所は変わり沖縄。
黒井は沖縄に着いてから二時間後に救出。
尋問も終わらせ、今は海水浴に来ている。
思い切り旅行気分である。
黒井は一般人に隙を見せた自分に対して落胆した様子で目を伏せた。
そんな黒井を傑がしかたない、と慰める。
しかし、傑はその点に疑問があるようだ。
不意打ちをしてまで、わざわざ沖縄へ呼んだ。交通インフラの整っていない地方の方が時間を稼げるのに。
不幸中の幸いとでも言うか、悟と傑の術式により安全な空の旅を送ることができたのだが、やはり何かが引っかかる。
わざわざ離島の沖縄へ呼んだ理由。
考えられるものはいくつかあるが、その中でも確実なのは「空港の占拠」。
…と、飛行機内で悟が理子にちょっかいを出している間に怜と推測したのだ。
そして、その対策も取った。
恐らく、そろそろ一年の七海と灰原が空港に着いている頃だ。
「二人共、そんな話してないで今は泳ごうよ」
考え込んでいた傑の顔を怜が覗き込む。
落ち着いた青色のビキニを身につけカーディガンを羽織った彼女は太陽を背にニコリと笑った。
悟と理子はもう既に海に入っている。
「そう…ですね」
黒井が弱々しく笑った。
今日中には理子とのお別れだ。
今まで一緒にいてきた分、寂しさや辛さも怜達の倍だろう。
怜はうーんと頭をひねる。
「…きっと、大丈夫ですから」
そんな、根拠もない言葉だったが、怜が静かに微笑むと、黒井は何を思ったのか目に涙を滲ませた。
その後、しばらく目を擦った後。ニコリと笑い、海の方へとゆっくり歩き出した。
「センパイ！見てコレ、ナマコ！！」
「うげ、そんなもん持ってこないでよ！」
悟が理子とはしゃぎながら、ナマコを怜の方へ持ってきた。
見ている分には問題ないが、触ったりするとなると少々気が乗らない。
しかし、悟はそれを気にせずやってくるような男である。
警戒しつつ、悟から少し距離をとった。
そんな怜を見て悟は面白かったのか余計に近づいてくる。
「う…傑、ヘルプ！」
怜が傑を自分の前に押し出した。
悟は傑でもいいか、と標的を変えてジリジリと寄ってくる。
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枝豆(プロフ) - てんぎつね。さん» 何それ、面白いですね笑笑好きです笑 (2021年8月17日 0時) (
レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - 私、四話で『い〜い 質問ですねぇ』って言っちゃいそう。 (2021年8月16日 23時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
枝豆(プロフ) - 中学生なルイさん» あぁぁ…嬉しいです！ありがとうございます！！ (2021年6月1日 0時) (レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
中学生なルイ - おおっまじか…めっちゃ好きです笑体調等に気をつけて更新頑張って下さいね! (2021年5月31日 23時) (レス) id: 1ec5234607 (このIDを非表示/違反報告)
枝豆(プロフ) - プスメラウィッチさん» なるほど…。現段階で、五条オチです、とまでは断言できませんが、意識しながらお話を書けたらいいなと思います。その内オチアンケートを取ろうかと考えていますので、多少の変動はあるかと思いますが…^^; (2021年5月16日 22時) (レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：枝豆 | 作成日時：2021年5月16日 19時
