11話 ページ11
要は面倒くさいというだけで手合わせにわざと負けたりするので、その部分で信用が置けないのだろう。
怜もいくつか心当たりがあった。
「…仕方ない、今回だけだからね」
怜はため息を一つつくと、ベンチから立ち上がった。
手合わせをする場合は、基本的に体術で相手をする。
怜の術式は
とても簡単に言うと、自分の呪力と相手の呪力を繋げるものだ。
相手の体に自分の呪力を流し込む。
相手の体は体外からの呪力によって負荷がかかり、耐えきれない場合は爆散する。
また、呪力を掌握することにより、行動範囲の縛り。つまり、一時的に相手の動きを止めることができる。
怜は、前者を「散」、後者を「縛」と呼んでいる。我ながら、単純すぎるかとも思う。
「さて、悟。お互いに術式はなしにしようか」
「えー！」
「当たり前でしょ。無下限使われたら、手の出しようがないじゃん」
自分へ向かってくる動きを極端に遅らせ、結局は悟に届くことはない。
そんなチートとも言える術式を持つ悟とマトモにやりあってはきっと一生かけても決着がつかない。
「それでは、用意…」
初め、と傑が声をかけた瞬間に悟は怜の後ろへ周る。
目では追えない速さだが、怜はこう見えても特級呪術師である。
そこは勘と経験で悟の手が伸びてくる前にしゃがみ込む。
それと同時に、悟の足に自分の足をかけ、思いっきり引く。
「お」
そう短く声を上げた悟は、怜の右腕を掴むと自分の方へ引き寄せた。
重心がブレたことにより怜は前へ倒れ込む形になり、悟はそれを待っていたかのように残っていた怜の左腕も抑える。
悟と怜の位置が逆転し、怜が背中から地面へ倒れ込む形になった。
「まだ甘い」
不敵に笑う怜に体を強張らせた悟の隙を見逃さず、怜は悟へ思いきり頭突きをくらわせた。
「いっ…」
突然の衝撃に目を薄く閉じた悟。
腕を掴んでいた手の力が緩んだ事を確認した怜は、手を振り払い悟の襟首を掴んだ。
足を悟の腰に絡ませて、勢いで悟の下から抜け出す。
先程まで悟が優勢だった状況は一変し、今度は悟が怜の下に組み敷かれた。
間髪入れず、怜は悟の首へ手をかける。
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枝豆(プロフ) - てんぎつね。さん» 何それ、面白いですね笑笑好きです笑 (2021年8月17日 0時) (
レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - 私、四話で『い〜い 質問ですねぇ』って言っちゃいそう。 (2021年8月16日 23時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
枝豆(プロフ) - 中学生なルイさん» あぁぁ…嬉しいです！ありがとうございます！！ (2021年6月1日 0時) (レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
中学生なルイ - おおっまじか…めっちゃ好きです笑体調等に気をつけて更新頑張って下さいね! (2021年5月31日 23時) (レス) id: 1ec5234607 (このIDを非表示/違反報告)
枝豆(プロフ) - プスメラウィッチさん» なるほど…。現段階で、五条オチです、とまでは断言できませんが、意識しながらお話を書けたらいいなと思います。その内オチアンケートを取ろうかと考えていますので、多少の変動はあるかと思いますが…^^; (2021年5月16日 22時) (レス) id: dc63b94e68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：枝豆 | 作成日時：2021年5月16日 19時
