凪いだ心に

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「…先輩自分の事卑下し過ぎですよ。先輩の良い所は沢山あります」

と発目ちゃんは怒ったように言った。

予想だにしてなかった言葉にポカンと口を開けていれば発目ちゃんはツラツラと私の良いところを挙げていく。

「まず、可愛いですし、頭も良い。集中力が凄くて、誰にでも優しい。人の良いところを見つけるのが得意で、でも自分の身を顧みないところがあるし…」

「ちょ、ストップストップ！！」

言葉を続けようとしていた発目ちゃんの口を慌てて塞ぐ。

何で平気な顔して恥ずかしいこと言えるんだこの子…。

「ふぁなひてふだふぁい」

「あ、ごめんね！！」

慌てて手を退けると発目ちゃんは私の目をしっかり見た。

「…まぁ、私にとって凪先輩は正直ビッグ3よりも凄い存在ですよ」

真剣な表情で言う彼女に「ありがとう」と返すが、心の中では嬉しいのやら少し気が引けるのやら気持ちが整理できない。

「…さっき言った言葉、発目ちゃんも含まれてるからね」

きっと変な顔をしているから彼女から顔を背けながら言った。
…言った後に恥ずかしい事を言ったと後悔した。

暫く私達の間に沈黙が流れる。

「……せ、先輩にも才能あるので、私の助手にでもなってもらいます！」

そっぽを向いて言う発目をチラリと見る。

心なしか耳が赤く染まっている…様な気がするけど自意識過剰なのかな。

「…その時は、宜しくね発目ちゃん」

彼女を支えられるのなら、私は嬉しい。

誰かの為に私が出来る事を精一杯やってみたい。
だから、これからも発目ちゃんを支えられるように、精進しよう。

そう心に決めたのだった。