凪いだ心に (ページ46)

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横を見ると目を大きく開いて通形先輩に抱っこされながら舞台をじっとみていた。

頬が赤く染まっていてとても楽しそうだ。

音楽がいよいよラストスパートに入り皆が盛り上がった時、エリちゃんが両手を上げた。

「わあぁ！！」

目をキラキラと輝かせて笑っているエリちゃんを見て通形先輩は泣いていた。

安心しているようだった。

「……眩しいなぁ…」

姉さんも通形先輩も発目ちゃんも
天喰先輩も。

皆眩しい。

眩しいから目を細めてしまう。

でもこれからは。

目を開いて、その姿を目に焼き付けて、

追いつけるように、

認めてもらえるように、

走ってみようかな。

そんな事を考えている内に曲は終わり皆がゾロゾロと出ていくところだった。

「…波動さん？」

通形先輩が一向に動かない私を見て不思議がっている。

「…すみません。今行きます」

いつもより足が軽く感じられた。

私は薄らと笑みを浮かべながら通形先輩とエリちゃんの元に走った。

ーーー

短くてすみません！！