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その後先輩の、しかもビッグ3の頼みを断れる勇気も理由も無かったので結局受け入れるしかなかった。
姉と通形先輩に事情を説明して一足先に帰ろうと思い病室に戻った。
病室の扉を開けると最初の様などんよりとした空気は無くて通形先輩もどこかスッキリした様だった。
事情を説明し終えて先に帰っても大丈夫かと聞くと姉も一緒に帰ると言った。
帰る前に天喰先輩に会ってくると言って慌ただしく病室を出て行ったが看護師さんに怒られてないと良いんだけど…。
「……波動さん。環から聞いた？」
何を、というのは先輩の事だろう。
「…はい」
「…正直、今の俺にできる事は分からないけど…ヒーローは目指すよ」
その言葉に妙に納得した。
通形先輩らしく真っ直ぐな目をして前を向いていた。
「助けた女の子の個性が物体自体を巻き戻すってものなんだ」
驚いた。
それから少しだけ不安を感じた。
先輩達の言い方からして私達よりも幼い子なのだろうが、そんな子が助けないといけないくらい酷い状況に立っていたのか。
「その子が個性を扱える様になったら、個性を持っていた頃の体に戻してもらおうと思ってるんだよね」
「…そうなんですね」
やっぱりヒーローの気持ちはよく分からない。
一度恐怖を感じたのに、何でまた前を向けるんだろう。
「…怖く、ないんですか」
気づけば口に出ていた言葉。
その言葉に通形先輩は一度キョトンとして笑みを浮かべた。
「…サーが言ってくれたんだ」
その目は真っ直ぐ前を見ていた。
「俺は�猯�派なヒーロー�瓩砲覆襪辰董�
その言葉にハッとした。
何か…点と点が繋がった感じ。
そうだ。それでこそヒーローなんだろう。
そう思えるからヒーローを目指す。
「…先輩ならヒーローになりますね」
「あはは、そうかな〜照れるなぁ」
頭をかきながら笑っている姿がどこか面白く思える。
「……でも、笑いすぎるのも…たまには泣いて気持ちを晴らした方がいいかと…」
「…！んー…」
私がそう言うと腕を組んで頭を捻る先輩。
なるほどな〜と聞こえる気がする。
「…あ！つまり波動さんの胸を貸してくれるって事？！」
「…？あぁ…私でいいなら…」
どこでそう繋がったのか分からないけど、と思いながら返事をするとガララっと音を立てて扉が開いた。
ーーー
エリちゃんの個性のところ少し修正しました。
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作者名：枝豆 | 作成日時：2020年6月13日 0時
