凪いだ心に (ページ28)

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聞くところによると、緑谷さん、麗日さん、飯田さんの三人はコスチュームの改良について相談しにきたしい。

発目ちゃんがやる気を出したので私の出る幕はないな、と思いきや、そんな事もないらしく。

次の日、私は発目ちゃんに呼び出され、工房に居た。

「せーんぱい。ちょっと付き合ってくれません？」

「良いけど…どうしたの？」

「先輩の意見聞きたいんです。私のだけだと…ほら、却下されそうで…」

頬を掻きながら頼んでくる発目ちゃん。

あぁ…案が良ければって条件だったものな。
変な機能入れないようにさせないと。

コスチューム改良は良い経験になるだろうし、これからの発目ちゃんの成長に大きく影響しそうだ。

…誰目線なんだろう、私は。

自問自答しながら発目ちゃんの相談に乗る。

案の定、変に機能を入れようとしていたので止めておいた。

彼女は至って真剣なのに何故面白い事ばかり思いつくのだろう。

私にもその位の気の緩さも必要なのかな…。

今度、パワーローダー先生に聞いてみようかな。

そう考えていると、工房の扉が開いた。

因みに発目ちゃんはコスチュームの案が無事に採用され、今は色んなサポート会社に許可とったりと忙しそうでよく動き回ってるのを見かけるようになった。

「すみませーん…誰か居ますか？」

「上鳴、勝手に入ったら…」

「いや、見てみろよ切島！秘密基地みてーだ！」

「おぉ！！」

何やら元気一杯の男子生徒2名…。

今はパワーローダー先生も居ないし…わ、私が出るしかないよなぁ…。

「あの～…」

「「うわっ！？」」

「ぁ…す、すみません…あの、コスチューム改良の事でしょうか」

驚かせてしまったようだが、言葉でも心でも謝ったので許して欲しい。

とにかく、今はしっかりと話す事に集中しなければ…！

「あ、はい！ちょっと相談があって…」

「えーっと…ここじゃ何なので取り敢えず座って…」

立ったままなのも、と思いパイプ椅子を2人の前に置
いたが、緑谷さん達立ってたな…申し訳ない。

コスチュームについての質問にいくつか答えながら相手の要望をまとめる。

因みに、金色の髪の人が上鳴さん、赤い髪の人が切島さんといらしい。

しどろもどろになりながらも、自己紹介をし、受け答えしているとガラッと工房の扉がまたもや開いた。